10月13日に彗星が地球へ最接近、オールトの雲からやってきた「紫金山・アトラス彗星」の正体とは
2024年10月13日、紫金山・アトラス彗星が地球に最接近する予定となっています。本記事では、知られざる彗星の正体や、やって来た「オールトの雲」をご紹介します。
■10月13日に地球へ彗星が最接近!!
「紫金山・アトラス彗星」は2023年1月に発見された天体です。中国の紫金山天文台と、小惑星地球衝突最終警報システム (ATLAS)によって独立に発見されたことが名前の由来です。
彗星は夜空に美しく尾を描くイメージを持たれる方が多いと思います。その主成分は氷と水でできています。その他にガスやちりなども含まれており、汚れた雪玉と表現されることもあります。そして、太陽に接近した際にその氷が溶けることで、氷が蒸発し尾のように伸びているんですね。
彗星は2024年9月27日に太陽へ最接近し、活動のピークを迎えました。そして、今後は地球に徐々に近づいていき、10月13日に地球から7100万km付近を通り過ぎる予定となっています。この頃からは、夕方の西の低い空で観察できる地域が広がる見込みです。市街地では難しいかもしれませんが、空の暗い場所であれば肉眼で見える可能性もあるとのことです。その後は地球から段々と離れていくため、彗星の明るさも徐々に暗くなっていきます。
■彗星は「オールトの雲」からやってきた?
紫金山・アトラス彗星は、太陽系の果て「オールトの雲」からやって来たと見られています。
私達の暮らす太陽系の最果ては、最も遠い冥王星であると考えられがちです。しかし、実はその3000倍も更に遠方、1.5光年までの領域で、太陽の重力の影響を受けてひしめいている微小な天体群「オールトの雲」が存在します。1兆個を超すこれらの天体は、太陽系に惑星が誕生した際に、遠方まで弾き飛ばされて取り残されたと考えられています。あまりの遠さから太陽の光がほとんど届かないため非常に暗く、これまで発見されたことはありません。
軌道が不安定な微小天体たちは、少しのバランスのずれで彗星となり、太陽系の惑星たちへ高速で接近してくるのです。 6600年前に恐竜を絶滅させたのは、メキシコのユカタン半島に衝突した彗星であったと推定されています。
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