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ドジャースと5年7400万ドルの延長契約を交わしたエドマンは、遊撃とセンターのどちらを守るのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
トミー・エドマン(左)とジャクソン・ホリデイ Aug 28, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 11月29日、ロサンゼルス・ドジャースは、トミー・エドマンと5年7400万ドル(2025~29年)の延長契約を交わすことについて、合意に達した、と発表した。この契約には、2030年の球団オプションがついている。ESPNのジェフ・パッサンによると、1700万ドルの契約が含まれていて、繰り延べ払いもあるという。

 この夏のトレードにより、エドマンは、セントルイス・カーディナルスからドジャースへ移籍した(「ドジャースが三角トレードで得たのは、100マイル超のリリーフ投手とここまで全休の野手に17歳の投手」)。トレードの時点では、2025年のオフにFAの予定だった。年齢は、来年5月に30歳となる。

 カーディナルス時代、2019~23年の先発出場は、二塁が251試合、遊撃が135試合、ライトが65試合、三塁が59試合、センターが37試合、レフトは6試合だ。2021年は、二塁手としてゴールドグラブを受賞した。2024年の初出場は、ドジャース移籍後の8月19日だ。

 ドジャースでスターティング・ラインナップに名を連ねた35試合は、センターが22試合と遊撃が13試合。続くポストシーズンでは、遊撃手として12試合に先発出場。センターとしての先発出場は4試合だった。

 今のところ、来シーズンのポジションは、センターがメインになりそうだ。

 二塁と遊撃には、ムーキー・ベッツギャビン・ラックスミゲル・ロハスの3人がいる。三塁は、マックス・マンシーの定位置だ。

 アンディ・パヘズジェームズ・アウトマンクリス・テイラーも、センターを守ることはできるものの、センターがエドマンで、その左右にパヘズとアウトマン、というトリオになると思われる。FAとなったテオスカー・ヘルナンデスが戻ってきても、大物FAのホアン・ソトが加わっても、エドマンのポジションは変わらない。テオスカーとソトが守るのは、レフトかライトだ。

 もっとも、エドマンは、遊撃や二塁を守ることもあり得る。怪我人が出た際などだ。三塁の守備につく可能性も、皆無ではない。

 これまでも、ドジャースは、内外野を守るレギュラーもしくは準レギュラーの選手を擁してきた。テイラーとキーケー・ヘルナンデス(現FA)がそうだ。この2人ほど流動的ではないが、ベッツも、ここ2シーズンのポジションは、2023年がライト→二塁、2024年は遊撃→ライトと移っている。来シーズンは、内野を守る予定だ。

 怪我人の発生に対応できるだけではなく、補強という点においても、彼らは、ドジャースに柔軟性をもたらす。例えば、シーズン途中に遊撃手が必要になった場合、トレードで手に入れるのは、遊撃手でなくてもいい。外野手を獲得し、エドマンを遊撃に据えることも可能だ。

 なお、エドマンは、今年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズでMVPに選ばれた。6試合で打率.407(27打数11安打)と出塁率.393。ホームラン1本と二塁打3本を打ち、11打点を挙げた。ワールドシリーズでも、5試合で打率.294(17打数5安打)と出塁率.400、1本塁打と2二塁打、1打点を記録した。

 ただ、これらは、サンプル数としては少ない。レギュラーシーズンにおいては、メジャーデビューした2019年こそ、92試合で打率.304と出塁率.350、11本塁打ながら、その後のシーズンの出塁率は、最も高い2022年でも.324だ。ホームランは、2022年と2023年の13本が最も多い。一方、2021年は41本の二塁打を打っていて、2021~23年のシーズン盗塁はいずれも30前後を数える。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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