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手に入れることができる大物三塁手は2人。ブレグマンとアレナード、どちらを選ぶ!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アレックス・ブレグマン Apr 28, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、アレックス・ブレグマンは、ヒューストン・アストロズからFAになった。アストロズがブレグマンを呼び戻す可能性は、ゼロに近い。一方、セントルイス・カーディナルスは、ノーラン・アレナードをトレードで放出したがっている。

 ブレグマンとアレナードは、どちらも三塁手だ。2019年のオールスター・ゲームでは、それぞれ、ア・リーグの「6番・三塁」とナ・リーグの「5番・三塁」として、スターティング・ラインナップに名を連ねた。

 右打者ということも、彼らは共通する。直近3シーズンのホームランは、ブレグマンが74本、アレナードは72本。OPSも.798と.794なので、ほとんど変わらない。

 ただ、2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は、31歳と34歳だ。ブレグマンのほうが若い。ブレグマンが3シーズンとも25本前後のホームランを打っているのに対し、アレナードのホームランは、3シーズン続けて減っている。2024年は、2023年から10本減の16本塁打にとどまった。ちなみに、出場試合、打席、打数は、わずかながら増えている。

 2024年の出塁率は、アレナードのほうが少し高いものの、四球率はどちらも6.9%だ。アレナードのシーズン四球率が10%を超えたのは、2018年(10.8%)の1度だけ。ブレグマンは、2018~23年に6シーズン続けて四球率11%以上を記録した。

 また、ゴールドグラブは、アレナードが10度、ブレグマンは1度だが、受賞したのは、アレナードが2013~22年、ブレグマンは2024年だ。

 その一方で、ブレグマンを迎え入れるには、大枚を要する。MLB.comのブライアン・マクタガートによると、アストロズは約1億5600万ドルの6年契約を申し出たが、ブレグマンは2億ドル近い契約を望んでいるらしい。

 アレナードの契約も、あと3年7400万ドルが残っているが、ブレグマンの希望額ほどではない。獲得に際しては、カーディナルスに支払いのいくらかを負担させることができるはずだ。カーディナルスの目的はコストの削減なので、交換要員は、それほどのプロスペクトでなくてもいいかもしれない。

 彼らに興味を持っていると盛んに報じられている2球団は――他にも噂が出ている球団はあるが――ボストン・レッドソックスとデトロイト・タイガースだ。一方の球団がブレグマンかアレナードを迎え入れ、もう一方の球団は2人のうち残ったほうを手に入れる、ということもあり得る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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