3年連続90敗以上の球団が大型契約を連発する。先発投手を迎え入れ、遅咲きのスラッガーと延長契約
今オフ、アスレティックスは、ニューヨーク・メッツからFAになったルイス・セベリーノを3年6700万ドル(2025~27年)の契約で迎え入れた。さらに、ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールらによると、ブレント・ルッカーと5年6000万ドル(2025~29年)の延長契約を交わしたという。
どちらも、総額1億ドル未満ながら、アスレティックスにとっては大型契約だ。セベリーノが更新するまで、総額の球団最高は、2004年の開幕前にエリック・チャベスが手にした6年6600万ドル(2005~10年)の延長契約だった。
セベリーノは、2024年に182.0イニングを投げ、防御率3.91を記録した。その前はニューヨーク・ヤンキースにいて、2019~23年は怪我に泣かされたものの、2017年は193.1イニングで防御率2.98、2018年は191.1イニングで防御率3.39。この両シーズンとも、奪三振率は10.00を超えていた。
ルッカーは、遅咲きのDH&外野手だ。メジャーリーグ最初の3シーズン、2020~22年は、計81試合で打率.200と出塁率.289、10本塁打、OPS.668に過ぎなかったが、アスレティックスへ移った2023年に、28歳で30本塁打と開花した。続いて、2024年は40本塁打まであと1本に迫り、アスレティックスでは2002年のチャベス以来となるシルバースラッガーに――チャベスは三塁手、ルッカーはDHとして――選ばれた。
ローテーションには、セベリーノだけでなく、ジェフリー・スプリングスも加えている。こちらは、トレードにより、タンパベイ・レイズから獲得した。2023年4月にトミー・ジョン手術を受け、2023~24年は計49.0イニングながら、2022年は122.1イニングを投げ、奪三振率9.56と与四球率2.06、防御率2.65。4年3100万ドル(2023~26年)の契約は、あと2年2175万ドルが残っている。
もっとも、アスレティックスが本気で勝ちにいこうとしているのかどうかには、疑問も残る。今オフに金を投じているのは、年俸総額を増やし、収益分配金を打ち切られることがないようにするためかもしれない。
アスレティックスは、3シーズン続けて90敗以上――2022年が102敗、2023年が112敗、2024年は93敗――を喫している。ラスベガスに新球場ができるまでの3シーズン(2025~27年)は、サクラメントのサター・ヘルス・パークを、サンフランシスコ・ジャイアンツ傘下のAAA、サクラメント・リバーキャッツと共有する。