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ヤンキースからFAの外野手にエンジェルスも興味!? ウォードをトレードで放出するつもりなのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
アレックス・バーデューゴ Oct 30, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2024年にニューヨーク・ヤンキースで外野トリオを形成した選手のうち、センターを守ったアーロン・ジャッジ以外の2人、レフトのアレックス・バーデューゴとライトのホアン・ソトは、どちらもFAとなった。

 ヤンキースが呼び戻そうとしたソトは、ニューヨーク・メッツと15年7億6500万ドル(2025~39年)の契約を交わした。一方、バーデューゴは、FA市場に残っている。ヤンキースがバーデューゴに声をかけることは、まずないだろう。外野には、プロスペクトのジェイソン・ドミンゲスとシカゴ・カブスから獲得したコディ・ベリンジャーに、キャプテンのジャッジが並ぶ予定だ。控えには、トレント・グリシャムがいる。

 今月初旬、ファンサイデッドのロバート・マリーは、ピッツバーグ・パイレーツが興味を示している外野手の一人として、バーデューゴの名前を挙げた。続いて、MassLiveのクリス・コッティーロは「パイレーツが先頭を走る集団に別の2球団が加わる。ヒューストン・アストロズとロサンゼルス・エンジェルスも、少なくともチェックを入れている。トロント・ブルージェイズやニューヨーク・メッツがそうしているように」と報じた。

 バーデューゴは、パワー・ヒッターではない。過去4シーズンとも140試合以上に出場しているが、各シーズンのホームランは、13本→11本→13本→13本だ。その一方で、4シーズンに計136本の二塁打を打っていて、こちらは、このスパンの9位タイに位置する。2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は29歳だ。

 パイレーツ、アストロズ、ブルージェイズと違い、エンジェルスとメッツの外野は、空きがあるようには見えない。

 エンジェルスには、4人の外野手、テイラー・ウォードマイク・トラウトジョー・アデルミッキー・モニアックがいる。アトランタ・ブレーブスから移ってきたホルヘ・ソレーアも、守備につくならレフトかライトだ。

 メッツは、外野のコーナーにブランドン・ニモとソトが位置し、その間のセンターは、タンパベイ・レイズから移籍のホゼ・シーリータイロン・テイラーが守る。スターリング・マーテイは、外野から弾き出されそうだ。マーテイは、DHの筆頭候補ながら、あくまでも暫定だと思われる。ここ2シーズンのホームランは180試合で12本に過ぎず、盗塁は40を数えるが、二塁打はその半数だ。

 メッツがバーデューゴを手に入れようとするとは思えず、バーデューゴもレギュラーとしてプレーできる球団との契約を望むだろうが、エンジェルスの場合、ウォードをトレードに出せば、レフトが空く。2024年にウォードが記録した25本塁打はエンジェルスで最も多く、FAになるまであと2シーズン保有できることを考えると、手放すのは惜しい気もするが、その見返りにローテーションの一角を担える投手を獲得できるなら、トレードは理に適うのではないだろうか。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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