なぜモドリッチは36歳で活躍し続けられるのか?肥大化する「ピッチ上での権力」とモウリーニョの功績。
彼は一体、いくつなのだろうか?
今季好調を維持しているレアル・マドリーで、存在感を見せているのがルカ・モドリッチである。2012−13シーズンからマドリーでプレーしているモドリッチは、もうすぐ加入して10年になる。36歳を迎えながらも、彼のピッチ上での権力は日を追うごとに肥大化しているように見える。
■モウリーニョの目利き
モドリッチの獲得を決めたのは、現在ローマを率いるジョゼ・モウリーニョ監督だ。
マドリーは2012年夏に移籍金3000万ユーロ(約39億円)を支払い、トッテナムからモドリッチを獲得した。2009年から始まった第二次フロレンティーノ・ペレス政権におけるスタープレーヤーの確保は一定の成果を挙げ、その方針は軟着陸しようとしていた。それでも中盤にはシャビ・アロンソ、カカー、メスト・エジル、サミ・ケディラ、マイケル・エッシェンと質の高い選手が揃っていた。
モドリッチのマドリーでのキャリアを決定付けたのは、12−13シーズンのチャンピオンズリーグ・ラウンド16のマンチェスター・ユナイテッド戦だ。セカンドレグの一戦で、モドリッチはミドルレンジから強烈なシュートを叩き込んだ。起死回生の同点弾で、そのゴールによってマドリーのベスト8進出が決定的になった。
カルト的思考でスター選手をかき集めていたペレスだが、モドリッチは真逆の価値観を提示していった。テクニシャンであり、ハードワーカー。忠誠心を持ちながら大胆にプレー。創造と労働を兼ね備え、自身のエゴをコントロールしつつ、個人賞よりチームタイトルを優先するような選手。それがモドリッチというプレーヤーだ。
■8番の概念
モドリッチは「8番」の概念を変えてしまったように思う。
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