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本田望結がゲートボール挑戦で豹変?「何でも対決する姉妹で、いつも勝つために燃えてました」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(C)2023「それいけ!ゲートボールさくら組」製作委員会

女優でフィギュアスケーターの本田望結がゲートボールに挑んだ映画『それいけ!ゲートボールさくら組』が公開される。藤竜也ら超ベテラン俳優たちがメインキャストに並ぶ作品で、彼らを指導して競う女子高生の役。良い子のイメージを覆すキャラクターは「勝つまで妥協しないで熱くなる」という自身に重なったという。

簡単そうに見えて、ちゃんと難しくて(笑)

――『それいけ!ゲートボールさくら組』の撮影には、ゲートボールの練習をして臨んだんですか?

本田 しっかりしました。もともとゲートボール自体に触れたことがなかったんです。地元の公園で朝早くに、年上の方たちがやられているのを「これか」と覗いて、正直、簡単そうに見えました。私はゴルフもやっていたので、パターっぽいのかなと思ったり。

――それで実際にやってみたら?

本田 ちゃんと難しかったです(笑)。まずボールをまっすぐ打てなくて、なかなかゲートに入らない。スティックもボールも重くて腕の力が要るし、力加減も難しい。でも、ハマりました。藤さんたちと練習していても、ゲートボールは若いからうまいとか、年上だからやりにくいとかないので、普通に負けたくなくて(笑)。試合のシーンでも誰も代役を立てず、ほとんど自分たちでノーカットで撮っていました。点を入れる場面は本当に入れないといけなくて、本気の緊張感がありました。

――映画を観ると、ちゃんとモノにしたようですね。

本田 私は高校のゲートボール部のキャプテンの役で、技を決めたり上手なところも見せないといけないから、かなりハードに練習しました。ルールを紹介する役でもあったので、用語とかも正確に言って、ゲートボールに詳しい人が観ても納得してもらえるように頑張りました。

着替えやごはんを食べる早さまで競ってました

――フィギュアスケーターでもある望結さんですが、運動は全般的に得意ですか?

本田 体を動かすことは好きです。体育の授業では何の競技でも、私よりうまい子がいたら男子だろうと、勝つまでやっていました(笑)。負けたくないのは、今もずっと変わりません。

――映画の七海がスティックを持つと豹変するように?

本田 七海は「お前ら!」とか「じじい!」とか言っちゃう子なので(笑)、似てるというわけではありませんけど、あれくらい本気で「勝ちたい!」と燃えることは多いです。

――それは日常でも出ますか?

本田 最近は大人気ないことはしませんけど、小さい頃から妹と着替え対決までしていました(笑)。どちらが早く着替えられるか、ごはんを早く食べられるか。些細なことから何でも対決にする姉妹だったんです。スケートの練習に行っても、どっちが早くリンクに着くか、車から降りてダッシュしていたので、滑る前から汗だくでした(笑)。

――真凜さんや紗来さんもつき合ってくれていたんですか?

本田 大人になると上から順番にやらなくなっていって、私と紗来が残りました。普通だと今度は私が「もういいよ」ってなりますけど、紗来のほうが先に「いつまでやるの? ゆっくり行こう」と言ってきて(笑)。私は中学生になっても、全然対決する気だったんですけどね。

集中していると真顔で怖いかもしれません

――望結さんも勝負ごとになると、七海みたいに目つきが変わったり?

本田 口が悪くなったり、手を出したりはしません(笑)。私のことを深く知ってる家族や友だちは、すごい熱量を持ったり妥協しないところは、わかってくれていると思います。料理しても、絶対に失敗したくないから細かい量まで量りますし、写真も一切撮らない。普段は笑っているほうですけど、集中していると「機嫌が悪い?」と思われるくらい、怖い真顔になっているかもしれません。

――テレビでは見られない望結さんの顔に?

本田 本当にそうです。話し掛けにくいオーラが出ていて、ゾーンに入ると笑顔が一切なくなる。それは七海にも繋がると思います。

――七海の睨むような目つきを、鏡の前で練習したわけでもなく?

本田 練習はしていません。台本を読んで「面白そう」と思って、演じていました(笑)。私生活で言わない言葉で話すのも楽しかったし、七海を演じるのに迷いはありませんでした。

――あまり演じてこなかった役柄ではありましたよね。

本田 今まで暗い役、悲しい役が多くて、それが少し悩みでもありました。今回は明るい役を演じられると思ったら、明るいを通り越して怖い役でした(笑)。でも、七海が同じクラスにいたら、私は仲良くなりたいです。リーダーシップを取る子も、自分がリーダーになるのも好きなので。

――「チンタラするんじゃねえ!」みたいな台詞も自然に出ました?

本田 役に入れば言えました。藤さんたちに本当に七海みたいな子だと思われそうだったから、普段は逆に、いつも以上に丁寧に話すように心掛けていました(笑)。

気合いを入れたいときに観る映画があって

――望結さんは団体競技も行けそうですか?

本田 好きです。ゲートボールに関しては、打つ瞬間は1人。でも、自分がゲートを通過したらOKではなく、わざと外して次の仲間が通りやすくすることもあったり、チームメイトを信じる想いが強い団体競技です。そこは映画の中でも描かれています。

――先ほど出たように、望結さんはリーダータイプでもあると。

本田 体育祭とかは誰よりも盛り上がっていました(笑)。みんなを引っ張りたい気持ちも強かったです。リレー選手の枠も掴んで、「私はこう思うから協力してほしい!」とか積極的に言ってました。やっぱり勝ち負けが絡むと熱くなりますね。

――そういう負けず嫌いは、女優の仕事にも出ますか?

本田 演技は勝ち負けというより、いかにひとつになれるかですけど、「ここはこうしたいです」とかは監督にも伝えるようにしています。今回も台本では「お前」となっていたところを、テンションが上がってポロッと「じじい!」と言ってしまったりしました(笑)。

――七海が「気合いだ!」と叫ぶシーンもありました。望結さんが気合いを入れるためにすることはありますか?

本田 一瞬で気合いを入れたいときは普通に入りますけど、やる気が出なかったりモチベーションが上がらないときは、映画を観ます。自分の中で、そのための映画がいくつかあるんです。最近だと『トップガン マーヴェリック』はすごくやる気が出ます。映画館に6回行きましたし、今はまた配信で観ています。好きなシーンを繰り返し観られるのが最高ですけど、映画館で観た迫力は忘れられません。

――どの辺のシーンがお気に入りですか?

本田 私が泣いたのは、主人公が笑顔を見せるところです。自分でビックリするくらいウワーッと感動して、何回観ても同じ笑顔のシーンで、逆に泣きます。

友だちは同世代よりずっと年上の方が多くて

――81歳の藤竜也さんの世代の方とは、普段は接点はありますか?

本田 友だちはそれくらいの年代の方が多いです。芸能界だと、一番の仲良しが笹野高史さん。メル友です。

――それはテレビでも話されてましたね。

本田 同世代を避けているわけではないですけど、自然と年齢の離れた方と友だちになっていて。父や母の友だちとも仲が良いです。

――そういう方たちと、どんな話をするんですか?

本田 人生について、とか(笑)。逆に、若者の流行りについていけないのが悩みです。妹から教わっていますけど、最新のメイクとかファッションとか、みんながどこから入手しているのか、謎でしかありません(笑)。

――この映画の現場では、藤さんたちとはすぐ溶け込めたんですか?

本田 皆さん、私を子ども扱いせず、普通にお話しくださったので、やりやすかったです。ただ、全員ゲートボールに集中しすぎて、空き時間も練習していて。本番と練習の境い目がわからなくなるくらいで、プライベートのことを聞く時間がなかったりもしました。

「年齢なんて関係ない」は共感します

――完成した映画を観て、改めて感じたことはありますか?

本田 この映画には「人生には遅すぎることなんてない」というメッセージが込められています。年齢と関係ないゲートボールはピッタリの題材でしたけど、ちゃんとメッセージが伝わっているのか、毎回公開までドキドキするんです。でも、今回はしっかり伝わると思ったし、自信を持ってオススメできます。

――ただ、その「人生には」というメッセージは、主に年配層に向けられたものだと思います。望結さんのように若くて、しかも小さい頃から自分の道を進んでいた立場でも、響くものはありましたか?

本田 はい。私も「若いね」と言われますけど、18歳が若くない世界もありますから。フィギュアスケートもそうです。だからこそ「年齢なんて関係ない」と言いたくて。もちろん若さは素晴らしいけど、若いほどいいとも限らないと思います。若い頃にできなくても、年齢を重ねる中で経験として得たものはあって、今だからできることもあります。

――そうでしょうね。

本田 この映画は、私と同世代の方がおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に観てくれることをオススメしたいです。私の世代だと、最近は一緒に出掛けてない方が多いかもしれない。だからこそ誘ってほしくて。若い子は楽しめない映画ではなくて、観る方によって響き方は違っても、家族みんながほっこりできる作品になっていますから。

――望結さんはどの辺で響いたんですか?

本田 面白かったのは、七海のシーンです(笑)。面白いことをしているつもりはないのに、真面目さでクスッと笑えるようになっていました。私も皆さんの反応を確認しに、映画館に観に行きたいです。

ラジオで日ごろメモしていたことが話せて

――現在、産休の河北麻友子さんの代行で、ラジオ番組『本田望結のミユコレ!』のパーソナリティを務めています。ラジオもやりたいことだったんですか?

本田 やりたかったです。お正月に関西の『ヤングタウン』を1人でやらせてもらって、とても楽しかったし、話すことも大好きなので。テンションが上がると大声になったり、ギャーとか叫んだりしてしまうので(笑)、そこは抑えめにやらせてもらっています。

――「話が逸れる」とも言ってましたね。

本田 そうなんです。話し始めたことと着地点が全然違ってしまって(笑)。河北さんのファンの方がビックリしないように、安心して戻っていただけるお手伝いをしていきたいです。

――自分でラジオを聴いてもいたんですか?

本田 テレビと同じくらいラジオも好きです。『ヤンタン』はよく聴きますし、ホテルに泊まったときにベッドでFMとか流したり、何気なく聴くのが大好きです。

――パーソナリティをやるようになって、ネタ帳を作ったりは?

本田 前からテレビ番組のアンケートが多いので、答えられるようにメモは書いていました。最近笑ったこととか感動したこととか、すぐ言えるように心掛けています。友だちと話していて、印象に残ったことは「ちょっと待って」とメモしたり。それを話す機会がないままのこともありましたから、ラジオで毎週言えるのは楽しいです。

毎日の小さな目標をクリアしていきます

――4月から新年度になって、何かを新たに買ったりはしました?

本田 ひとり暮らしを始めたので、家電を買いました。洗濯機とか大きい買い物をしたのは初めてで、ドキドキして。まずサイズが合うように、スペースを何cm×何cmとちゃんと測って、父と一緒に探しました。

――いいスタートが切れたわけですか。

本田 そうですね。同世代の友だちも作りたいと思って、頑張っているところです。私は人見知りではないですけど、自分から行ったほうがいいのか、声を掛けてくれるのを待つべきなのか、見極めが難しくて。でも、同世代との出会いから、1人では辿り着けない世界に行ける気がしています。

――6月には19歳になります。10代最後の1年はどう過ごしますか?

本田 10代にやり残したことは、今のところ、そんなにありません。でも、10代だから出会える友だちや役もあると思うので、一瞬一瞬を大事にしたいです。毎日、些細なことでも「これをやろう」と思ったら、必ず叶えるように努力します。食べたいものがあれば食べる。散歩に行きたければ早起きして行く。もったいなかった日をゼロにしたい。小さな目標をクリアしていけば、やり忘れることもないと思っています。

――ちなみに、今日したいことはありますか?

本田 さっきドーナツをいただいたので、それを食べます(笑)。そんな軽いことから難しいことまで、面倒くさがらず達成感を忘れず、生きていきます。

オスカープロモーション提供
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Profile

本田望結(ほんだ・みゆ)

2004年6月1日生まれ、京都府出身。

2011年にドラマ『家政婦のミタ』に出演して注目される。近年の主な出演作はドラマ『ばかやろうのキス』、『少年のアビス』、映画『きさらぎ駅』など。映画『それいけ!ゲートボールさくら組』が5月12日より公開。ラジオ『本田望結のミユコレ!』(ニッポン放送)でパーソナリティ。

『それいけ!ゲートボールさくら組』

監督・脚本/野田孝則 出演/藤竜也、石倉三郎、大門正明、森次晃嗣、小倉一郎、田中美里、本田望結、山口果林ほか 配給/東京テアトル

5月12日より全国ロードショー

76歳の織田桃次郎(藤竜也)は、60年ほど前にラグビー部で励まし続けてくれたマージャーの木下サクラ(山口果林)と再会。彼女が経営するデイサービスが倒産の危機と知り、元ラグビー部の仲間が集結する。ゲートボール大会で優勝して施設の知名度を上げようと、高校のゲートボール部でキャプテンを務める嶋田七海(本田望結)の指導を受けることに。

公式HP

(C)2023「それいけ!ゲートボールさくら組」製作委員会
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埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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