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【札幌市中央区】札幌で本物のニューオーリンズに出会った!BUDDY BUDDY

ゆべーる地域クリエイター(札幌市)

札幌、マサチューセッツ、アカディア、南部アメリカの数奇な関係。

札幌は、元々ボストンなどマサチューセッツから来たお抱え外人たちがグランドデザインを作るのに大きく活躍した街。そしてアメリカ建国前から常にヨーロッパの窓口でした。

そんなボストンが、意外とイギリスだけではなくフランス文化との縁も強いのは日本ではあまり知られていません。ボストンは昔からカナダの西海岸、いわゆるフランス語地域のアカディア(同じくフランス語圏のケベックと隣接している)地域との貿易が盛んで、たくさんのカナダ系フランス人やフランス本国から来た人がいました。背景には、特にルイ王朝期のフランスは伝統的にカソリックだったので、プロテスタント系フランス人(ユグノー)が大量に新大陸にやってきたという事があります。

やがて、アカディアではイギリス系住民がフランス系住民を追放しました。アカディアがなまって「ケイジャン」となり、そうしたフレンチの流れを持つ「ケイジャン」が最後に行き着いたのがニューオーリンズなどを含むルイジアナ州(ルイ王朝の土地という意味)など南部アメリカです。

そんなニューオーリンズのケイジャンCajunたちの料理や、もう少し洗練されたクレオールCreole料理など、アメリカ南部料理を専門にするのが、創成川に面したアメリカンスタイルのビルにある「BUDDY BUDDY(バディ・バディ)」です。

こうして歴史をたどると、札幌とマサチューセッツ、カナダ側のアカディア、ニューオリンズなどの南部アメリカは、フランス系アメリカという目に見えない糸を通してつながっているんです。だから、南部アメリカの料理は、歴史的なつながりのある札幌にもとてもマッチする気がするのです!

この看板の、クラフトビア、ワインそしてジャズ!いいですね!まさにニューオリンズ!

「グースアイランド」GOOSE ISLANDがうまい!

このお店のレギュラービールは、アメリカのシカゴから来たクラフトビアの名門、「グースアイランド」。主にIPA(インディア・ペールエール。イギリスが大航海時代にインドにビールを持っていくために防腐作用のあるホップを大量に入れたスタイル)を取り扱っていますが、IPAにありがちな、ホップの苦味走ったところがなく、バランスよくスムースでとても飲みやすいタイプ。これはどんどんいけてしまいます。

サーバーがとてもかわいい!

軽めのタイプもあります。こちらのテイストはとてもすっきり、ちょっとハーブでも入っているんだろうか?という感じがしました。

料理にも南部アメリカの風。

旬のアスパラ、最高ですね。南部アメリカのケイジャンたちもスパイスたっぷりのアスパラガスをグリルすることが多いのです。こちらにおいている「グースアイランド」や「ヒューガルデン」、そして私の好きな「ステラ・アルトワ」などのビールにピッタリ。

そしてケイジャンといえば、なんと言っても、この「ガンボ」。このお店ではケイジャンのスタイルで、さまざまな野菜、豆などをパンチのあるテイストでドロドロ煮込んでいます。旨味が口に中で爆発します。ワインにも合いそうなので、次回試してみたいです。

そしてパセリや緑の野菜を殻付きカキに乗せて焼く「オイスターロックフェラー」。19世紀半ばにニューオーリンズのレストランが発明した料理。エスカルゴのグリルをヒントにしたそうです。

「季節野菜とポークのレモンスチーム」。ポークがとても柔らかくてレモンの味が染みている逸品です。ズッキーニに染み込んだ味も最高。

「アンチョビフライドポテト」もカリッと上がっていて美味しいです。

食べていないメニューがたくさんあるので、また秋になったら再訪して、アップデートした情報をお届けしますね!

内装もニューオリンズジャズが聴こえるよう

ニューオーリンズといえば、もちろんサッチモ!このお店ではサッチモへのオマージュが飾られています。それから意外と合いそうな音楽で流れていたのが、アメリカンを取り入れたフランスのジタン(ジプシー)音楽の代表、ジャンゴ・ラインハルト!そういった音楽たちが程よく流れています。

この日は音楽仲間のギタリストと飲みましたが、ここでディキシーやジプシー音楽のセッションやってみたいよね!という妄想が出るほど、音楽とフードが見事に一致したお店でしたよ。

倉庫風の堅牢な建物の店内も、屋上の開放的なビアガーデン(BUDDY BUDDY ROOF TOP CRAFT BEER GARDEN)も、どちらで飲むのも良いと思います。(営業時間などが若干事なるのでご注意ください。)

ソーシャルディスタンスに引き続き気をつけないとなりませんが、遠くないうちに札幌の日常が戻ると良いですね。今日は、ここで、サッチモの「ラ・ヴィ・アン・ローズ」(エディット・ピアフのシャンソンが元歌で、薔薇色の人生、という意味)を聴きながら、より良い未来を思い浮かべてみました!

■BUDDY BUDDY(バディ・バディ)■

住所:札幌市中央区北2条東1丁目2−3 パラダイスビル

営業時間:14:00〜23:00

定休日:無し

電話番号:011-271-8882

★BUDDY BUDDY ROOF TOP CRAFT BEER GARDEN(屋上ビアガーデン) ★

営業時間:

月〜金→12:00〜20:00

(L.O・酒類提供19:00)

土日祝→12:00〜20:00

(L.O・酒類提供19:00)

注意 臨時休業がありますので、必ず訪問前に公式Instagramで情報チェックをしてください。

★お店の情報は、公式Instagram または、公式Twitter で。

★予約は、公式Webサイトより。

地域クリエイター(札幌市)

通訳案内士(全国&札幌)、そしてライターや日本遺産炭鉄港、日本遺産候補小樽、サッポロコンシェルジュのガイドとして、いつも札幌市内の出来事やおすすめ情報を探しに歩いてます。最近、少し鉄気味。交通ネタや都市インフラに興味が行きつつあります。サイダー(シードル)大好き。ホルン(フランス式ピストン)とテナーホーン吹き。

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