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猛毒リシンを水筒に…なぜ殺人未遂でなく器物損壊罪で起訴?

前田恒彦元特捜部主任検事
(提供:AFRC_092/イメージマート)

 神戸市の建設会社事務所で男性が飲み物を入れていた水筒の中に猛毒の「リシン」を混入したとして、同僚の女が神戸地検に起訴された。しかし、罪名は殺人未遂ではなく、器物損壊罪だった。なぜか――。

発覚の経緯は?

 男性は以前から飲み物の味や臭いに違和感を覚えており、水筒に何らかの異物が混入されたのではないかという疑いを抱いていた。個人的にトラブルがあった人物として女の動きをマークしていたところ、3月に女の犯行を目撃した。

 そこで、男性は、水筒をそのまま警察に提出し、被害を届け出た。水筒や中の液体は専門的で高度な分析が可能な警察庁の「科警研」こと科学警察研究所に持ち込まれ、鑑定の結果、液体からリシンが検出された。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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