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ノート(186) めまいがした裁判所地下の「仮監」と総連事件の弁護側尋問

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~工場編(14)

受刑104/384日目

最後の打合せ

 この日は午前中に工場で差し入れ本の整理作業をやったあと、午後から東京高検の和田澄男検事による取調べを受けた。総連事件の証人尋問を翌日に控え、最終チェックを兼ねた打合せのためだった。

 といっても、前回と同じく、一審における証言や供述調書などを時系列に沿って整理した一覧表を示されるというやり方であり、和田検事からはこれをしっかり頭に入れておく必要があると言われた。

 そのうえで、一つ一つの項目ごとに和田検事から確認され、答えていくといった形で「リハーサル」を行った。

 こうして最後の「証人テスト」は午後4時すぎころに終了した。週2日の入浴日であり、同じ工場の受刑者らは早めに作業を終え、入浴も済ませて舎房に戻っていた。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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