飲食店バイトで捨てる食べ物 調理師専門学校44名に聞いてみた結果は?
2018年1月、調理師専門学校で講義を行なう際、朝日ネットのrespon(レスポン)を使って、アンケートを行なった。44名が、スマートフォンなどを通して回答してくれた。
一つ目の質問は、「冷蔵庫に保管した卵の賞味期限が1日だけ過ぎていた場合、捨てますか?食べますか?」という内容。
44名中、「捨てる」と答えたのは4名。「火を通すなどして食べます」というのが36名で、全体の82%だった。
拙著『賞味期限のウソ』に書いた通り、日本卵業協会によれば、産卵から生で食べられる期間は、夏は21日間、冬は57日間。温度管理がしっかりしている法人向けでは、温度管理がしっかりしている、として、夏は16日間、冬は58日間と、季節で賞味期限を変えている。
一方、我々消費者が買うものは、産卵から7日以内にパックされ、パックされた日から2週間が賞味期間。冬も夏も同じである。
消費者庁などの省庁が啓発している通り、賞味期限は美味しさの目安。保管状況が良ければ、賞味期限が数日過ぎても、品質はすぐには劣化しない。市販の卵のパックには、「賞味期限が過ぎたら加熱調理して早めに食べましょう」という旨が表示されている。
二つ目の質問は、「スーパーやコンビニなどで買い物をするとき、棚の奥に手を伸ばし、賞味期限の日付が遠いもの(新しいもの)を取ったことがありますか?」というもの。これは、全体の89%に当たる39名が「ある」「いつも」「牛乳は毎回」「よくやる」と答えた。賞味期限は目安であり、家の冷蔵庫にある食べ物は、自分の(自分の家族の)お金で購入したものなので、食べきるように努力する。だが、店の食べ物は、まだお金を払っていないので「他人のもの」。特に生鮮食品などは、できる限り、賞味期限日付の新しいものを選ぼうとする傾向が見られた。
三つ目の質問は、飲食店でバイト経験があり、仕事で食べ物を捨てたことのある人に対するもの。仕事上で、どんな食べ物をどれくらいの量捨てたかについて。
これについては自由意見で述べてもらったので、主なものを挙げてみる。
「回転寿司屋さんで、レールに回っていたお寿司すべてを毎日捨てていた」
「パン食べ放題の店で、その日のうちに作ったパンは、全部廃棄なので、毎日大量に廃棄が出る。他にも食材やジュースなど。」
「スーパーの惣菜コーナーでバイトをしています。その日に売れ残った商品、お弁当やお惣菜を捨てます。多いときは90リットルくらいの袋1つ分あったりして、もったいないなと思います」
「客の食べ残しで量はさまざまだが、宴会となるとスイーツなどの食べ残しが多く残る。」
「消費期限切れのものをどっさり」
「一日ゴミ袋5袋くらい」
「パン屋さんなので、パンを大量に捨てた」
「餃子、チャーハン、ラーメン、お客さんが手を一回もつけないで残してても、そのまま捨てます。」
「揚げ物やサラダを数えられないくらい」
「作るのを失敗したのとかを捨ててしまいます。あと、仕込みの時に野菜の使えないところを捨てます」
「作ってから時間が経ったもの、食べた人が残したもの、売れ残ったものを捨ててました。けっこうな量を捨ててました」
「賞味期限の切れた食べ物はほとんど捨てます。その時々によって量は違いますが、だいたい一日に1キロくらいです」
「カフェでのアルバイトで、ケーキやパンなどの廃棄を1日に各5〜6個ずつ」
「廃棄になる食材や、誤って出してしまった食料を、私一人で500g程度は出していると思います」
「お客様の食べ残し、野菜や肉などの切除部分」
「わさびやカラシなどのチューブ類。悪くなったアボカド」
「添え物の野菜などが多く捨てられていました」
「付け合わせの野菜をよく捨てています」
以上
他にも「お肉たくさん」「スープ大量」「食べ残しを大量」「かなりの量」「食べ残しや賞味期限切れ、臭いがやばいもの」「漬物」「カフェで、日付のすぎたもの」「野菜、ご飯」などがあった。店側の事情によるものと、客側によるものの両方がある。
この現状を知り、あなたはどう感じるだろうか。
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