MLB開幕延期まで残り4日。ロックアウトが大谷翔平に与える影響は?
昨年12月2日(日本時間3日)から始まったメジャーリーグのロックアウト。新たな労使協定の内容がまとまらず、MLBのオーナーたちが球界から選手を閉め出してから3ヶ月が経とうとしている。
オーナー側は2月28日(日本時間3月1日)までに合意に達しない場合には、3月31日(日本時間4月1日)に予定されている開幕戦が行われずに、シーズン開始が延期されると宣言。「期限は期限だ」と強気な姿勢をみせている。
今週に入ってから、オーナー側と選手会は毎日のようにフロリダ州で会談を続けてはいるが、両者の主張には依然として大きな隔たりがあり、残り4日間で合意に達するのは難しそうな状況だ。
開幕延期が選手会に与える影響
AP通信のロナルド・ブラム記者は2月23日(日本時間24日)付の記事で、「開幕が延期された場合には、選手会は1日につき2050万ドル(約23億5750万円)を失う」と報じている。
オーナー側は「失われた試合に関しては、給料は一切支払わない」と言っており、開幕が1日遅れるごとに、各選手は給料の186分の1を失う。
例えば、今オフにニューヨーク・メッツと3年総額1億3000万ドル(約150億円)の契約を結んだマックス・シャーザーの2022年度年俸は球界最高額となる4333万ドル(約50億円)。選手会の代表としてフロリダでの会談にも出席しているシャーザーの場合、1日約23万ドル(約2679万円)を失い続ける。
エンゼルスの大谷翔平は、今季の年俸が550万ドル(約6億3250万円)なので、開幕が遅れれば、1日約3万ドル(約340万円)を失う。
開幕が遅れることで大谷が被る影響は、今季の年俸損失よりも、新規で大型契約を結ぶ際に大きく現れてくる。
大谷のFA件取得が1年遅れる?
メジャーリーグの選手がフリーエージェント(FA)の権利を手にできるのは、メジャーで6年目のシーズンを終えてから。
MLBでは「サービスタイム」と呼ばれる規定で選手の在籍年数を数えている。
このサービスタイムは、選手が26人のメジャーリーグ・ロースター枠、もしくは故障者リストに登録されている日数を数えるもの。通常は開幕から1シーズンをずっと26人登録(もしくは故障者リスト)で過ごすと186日分のサービスタイムを稼げる。(ただし、1シーズンに稼げる最大のサービスタイムは172日なので、計算上は172日分のサービスタイムとなる。)
FA権を得るためには、172日x6年、すなわち1032日分のサービスタイムを稼がなくてはならない。
現時点での大谷のメジャーリーグ・サービスタイムは4年、すなわち688日である。
本来ならば、2023年シーズン終了時点で1032日のサービスタイムに達して、晴れてFAの権利を手にできるが、今季の開幕が遅れると大谷がFAとなるのは23年のオフではなく、24年のオフになってしまう。
ブラム記者は「開幕が15日遅れると、大谷がFAになれるのが1年遅れる」と指摘する。
186日から15日を引くと171日となり、今季のサービスタイムはフルシーズンの172日に1日足りない。来シーズンにフル出場したとしても、シーズン終了後には、やはり6年分のサービスタイムには1日足りずに、大谷のFAは23年オフではなく、24年オフになってしまう。
このサービスタイムが1日足りない問題は、大谷にとって100億円近くの損害をもたらすかもしれない。
23年のオフにFA権を手にできれば29歳でFA市場に出られるが、24年のオフだとFA市場に出るのが30歳になってしまう。
29歳と30歳。たった1歳の違いだが、近年のメジャーリーグでは20代の選手と30代の選手に与える契約内容が大きく異なる傾向が高い。
20代選手に対しては長期契約で大判振る舞いをするケースが少なくないが、30代になると故障や衰えのリスクを考慮して、契約期間を短くするケースが多い。
とくに二刀流選手として身体への負担が他の選手の数倍大きい大谷にとって、29歳と30歳の違いは非常に大きい。