香港の将来に絶望か? 香港の59歳の大学教授が自殺 中国のSNSでは閲覧制限
8月25日、日曜日の12時半すぎ、香港から深圳方面に走る鉄道・東鉄線の九龍塘(カオルーントン)駅付近で、男性が電車に飛び込み、死亡したことがわかった。自殺とみられる。男性は59歳、香港城市大学・土木工程学科の教授だった。
香港メディアの報道によると、男性は以前からうつ病を患っていたという。生前、SNSに香港の将来に対する不安や、中国の支配に対する絶望などをつづっており、覚悟の自殺だったとみられている。
香港で増え続ける自殺者
香港サマリタン自殺防止協会が今年6月末に発表したデータによると、人口が約750万人の香港で、2023年の自殺者は1092人と、それまでの最多だった22年(1080人)を上回り、過去最多となった。10万人当たりでは14.55人。
自殺者で最も多いのは70歳以上で、全体の4分の1以上の26.6%に上る。続いて多いのは60~69歳で、16.8%となっている。自殺の原因は、伴侶に先立たれたこと、子どもが海外に移民(海外移住)してしまったこと、などが挙げられており、孤独を抱えている人が多い。自殺した男性は59歳で、社会的、経済的に恵まれており、家族もいたが、香港社会を取り巻く厳しい環境、政治情勢が影響したのかもしれない。
26日、23時の時点で、中国のウェイボーでは、1件のみ、この件に関する投稿がシェアされているのが確認できた。そこには自殺した男性がSNSに書き込んだ文章がそのままスクリーンショットの状態で掲載されていたが、その中で、香港のデモに関する部分のみ、黒塗りされていた。
個人が投稿するSNSのウィーチャットでは、いったん投稿された記事が、数時間後には閲覧できない状態となった。