スターシップを開発したスペースX、知られざる破産寸前の時代とは?創業からファルコン1ロケット開発まで
3月14日、スペースXは巨大宇宙船である「スターシップ」の3度目となる打ち上げを行いました。結果としては、大気圏突入後に機体は空中分解となりましたが、着実に成功へのステップを踏んでいます。
ここまでの話を聞くと、スペースXのような大企業は資金も潤沢で歴史も長く、苦労なくここまで上り詰めたように思いがちです。しかし、スペースXはここまで到達するのに壮絶なサクセスストーリーがあるのです。
本記事では、知られざるスペースXの創業から、ファルコン1ロケットの打ち上げまでを解説していきます。
史上最大の宇宙船「スターシップ」宇宙に到達するも大気圏突入後に空中分解
■火星開発を目指すイーロン・マスクと、スペースXの誕生
スペースXを語る上で必須なのが皆さんも良くご存知の、イーロン・マスク氏。スペースXの創業者の方です。生まれは南アフリカ共和国でで、経済学、物理学の学位をアメリカ ペンシルバニア大学で取得しました。そして大学卒業後には、X.comという企業を立ち上げます、これは後のPayPalなんです。
その後、ロサンゼルスでMars Societyという火星への探査や植民を目的とした協会に入り、理事に就任します。この頃から宇宙開発に興味を持ち始めていたんですね。そして、遂に火星に温室を持ち込む「火星オアシス」というプロジェクトを提案します。ロケット調達のため、ロシアから大陸間弾道ミサイルを購入しようとしますが、資金の点でこれに失敗してしまいます。
これを機に、イーロン・マスク氏は自前でロケットを作ることを決意し、2002年にスペースXを設立したのです。行動力が半端ないですね!
■スペースXが破産寸前!?危機一髪を救った四葉のクローバー
スペースXを設立したイーロン・マスク氏は商業用打ち上げロケットのファルコン1の製造を始めます。これはサイズ21.3m,直径1.7m、重さ40tonのロケットで、地球低軌道に670kgまで輸送することができるんです。
最初の2006年の打ち上げでは燃料漏れのため失敗、何事も簡単にはいかないですね。しかし、このあとNASAから国際宇宙ステーションに物資を運ぶ民間企業としてスペースXが選定され、金銭的な支援を受けれることとなったのです。これにより、スペースXの首の皮が繋がったのでした。
しかし、2,3回目のロケット打ち上げも失敗。あと1回の失敗で資金が底を尽きるというところで、2008年9月28日に4回目の打ち上げを行います。このときワッペンに四葉のクローバーをつけて、背水の陣を敷いていたようですよ。結果は見事成功!この成功を受けて、必ずワッペンには四葉のクローバーをつけることになったらしいです。このとき、スペースXの従業員は500人になっていました。
遂にファルコン1の打ち上げに成功したスペースX、次はファルコン9の開発へと進んでいくこととなります。今後のSpaceXの成長は次の記事をお楽しみに!
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