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南海トラフ地震と富士山噴火が連動する!?歴史から学ぶ想定されるシナリオ

TOUYA化学系研究者

富士山は日本を象徴する活火山であり、過去数千年にわたり、定期的に噴火を繰り返してきました。特に有名な噴火が、1707年に発生した「宝永噴火」です。この噴火は、同年に発生した南海トラフ地震である「宝永地震」の49日後に起こりました。この記事は、火山噴火の原理や南海トラフ地震と火山噴火の関係性について解説します。

富士山の噴火の歴史

富士山は過去数千年にわたって約100年周期で噴火を繰り返してきました。しかし、1707年の宝永噴火以来、富士山は300年以上噴火していません。この間に蓄積されたマグマやエネルギーは、次の噴火が過去の噴火を上回る規模になる可能性があります。

そんな宝永噴火ですが、江戸時代に大きな被害をもたらしました。富士山の東南側が大きく崩れ、江戸の街に大量の火山灰が降り積もり、農作物が被害を受けるなど、甚大な影響を与えました。江戸時代の学者、新井白石の記録にも、この噴火の影響が詳細に記されています。

火山の噴火の原理

富士山の噴火は、地震によって引き起こされる可能性が高いとされています。富士山の地下約20キロメートルに「マグマだまり」が存在しており、地震の揺れがこのマグマだまりに影響を与えます。揺れによってマグマだまりを覆う岩盤にひびが入り、内部の圧力が減少します。減圧により、マグマに含まれる水蒸気が膨張し、マグマが上昇する原因となります。この過程が進行すると、最終的に噴火が引き起こされるのです。

南海トラフ地震と富士山噴火の連動リスク

南海トラフ地震と富士山噴火が連動して発生する可能性は非常に高く、過去の宝永地震と宝永噴火の関係がその前例を示しています。地震発生後の数カ月から数年以内に富士山が噴火する可能性があり、地震の復旧作業中に噴火けが発生すれば、被害がさらに拡大する危険性があります。

政府や専門家は、この連動リスクに対して警鐘を鳴らしており、災害対策の重要性を強調しています。特に、南海トラフ地震が発生した際には、すぐに富士山噴火の可能性に備えることが求められます。(参考:防災ニッポン

未来のリスクと備え

南海トラフ地震は、近い将来、確率90%で発生する可能性があるとされています。この地震が発生した場合、富士山が再び噴火するリスクが非常に高く、その影響は江戸時代の宝永噴火を上回る可能性があります。噴火の規模が過去のものを超える場合、広範囲にわたる火山灰の降下や溶岩流など、甚大な被害が予想されます。

政府は、富士山周辺のハザードマップを改定し、最新の噴火シミュレーションに基づいた対策を進めています。2021年に改定されたハザードマップでは、噴火時の被害範囲がさらに広がることが予測されており、より多くの地域が影響を受ける可能性が指摘されています。

さらに、東日本大震災以降、日本各地で低周波地震が増加しており、これは地下のマグマ活動が活発化している証拠とされています。こうした現象からも、富士山の噴火リスクが高まっていることが示唆されています。

まとめ:南海トラフ地震と富士山噴火が連動する!?歴史から学ぶ想定されるシナリオ

富士山噴火と南海トラフ地震は密接に関連しており、過去の事例からもそのリスクが高いことが明らかです。地震には、予測可能な地震と予測不可能な地震があります。首都直下型地震や南海トラフ地震はどちらか知りたい方は、「予測可能な地震と予測不可能な地震、南海トラフ地震と首都直下型地震はどっち?」らの記事もご覧ください!

化学系研究者

東京工業大学大学院の修士課程を卒業後、化学メーカーの医学系研究者として従事。研究成果がメディアに取り上げられた経験有り。科学やAIを活用したお役立ち情報を書いていきます!

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