家のフローリングに小さな穴が!もしかしてそれ、ヒラタキクイムシかも?
フローリングや家具に突然現れた小さな穴や白っぽい木粉に気づいたことはありませんか?これが、木材を食害する害虫「ヒラタキクイムシ」のサインかもしれません。今回はこの害虫について、その生態から駆除方法まで詳しく解説します。
ヒラタキクイムシとは?その被害と特徴
ヒラタキクイムシは、フローリングや家具などの木材を食べて育つ害虫です。人を刺したり噛んだりすることはありませんが、幼虫が10か月間、木材の内部を食べて成長し、成虫になると木材の表面に脱出孔(小さな穴)を開けて外に出てきます。この過程で、木材内部が食い荒らされ、木がボロボロになってしまい、家屋や家具に深刻な被害をもたらします。木材に含まれるデンプン質を好んで食べるため、特に新築の家や新しい家具に被害が多く見られます
成長サイクル
ヒラタキクイムシの成長過程は、「卵→幼虫→蛹→成虫」のサイクルを経て、一年を通じて成長します。それぞれの段階で以下の特徴があります。
1. 卵
卵は直径約0.2mm、長さ約0.8mmの白色の円筒形で、約10日で孵化して幼虫になります。
2. 幼虫
幼虫は4~5mmの芋虫状で、木材の内部を食べながら成長します。幼虫期間は越冬をはさんで約10カ月です。
3. 蛹(さなぎ)
幼虫は約10か月後に蛹になります。蛹の期間は10日程度です。蛹から成虫になると、木材に小さな穴を開け、外に出てきます。
4. 成虫
成虫は赤褐色から暗褐色で、体長は3〜7mmほどの細長い甲虫です。寿命は3〜5週間で、一生に約70個の卵を産みます。成虫は4〜8月にかけて活動し、暖かい室内では2〜3月に発生することもあります。夕方から夜間に活動します。
被害が現れる場所と木材の種類
好む木材:ラワンやナラ、ケヤキ、キリなど広葉樹の乾材を特に好み、辺材部を食害します。これにより、木材の空洞化が進むため、見た目だけでなく強度にも影響が出ることがあります。
よく見られる場所:フローリング、壁、屋根裏、押し入れ、木製家具など、家のあちこちで見つかります。キクイムシが発生する原因は、ラワン材や合板を使った家具、竹製品などの内部に卵や幼虫が潜んだ状態で屋内に持ち込まれるケースが多くなっています。
ヒラタキクイムシの駆除方法
害虫駆除業者でもヒラタキクイムシの完全駆除は難しいとされています。自分で駆除することも可能ですが、根気よく何度も殺虫剤を散布し、キクイムシの生態サイクルに合わせて1年間は注意深く対応することが必要です。家の中でヒラタキクイムシを見つけたら、早急に対処しましょう。
穴に駆除剤を注入する:ヒラタキクイムシが開けた小さな穴に、専用ノズルでエアゾールタイプの駆除剤を注入します。成虫には直接吹きかけます。
隙間部分にも駆除剤を噴霧:幅木の下、部材の接合部など、隙間にも駆除剤を噴霧し数回繰り返しましょう。
虫穴を塞ぐ:虫穴は爪楊枝などの木片で塞ぎましょう。
まとめ:家のフローリングに小さな穴が!もしかしてそれ、ヒラタキクイムシかも?
ヒラタキクイムシは直接人体に害を及ぼすわけではありませんが、木材に穴を開け、見た目を損なうだけでなく、家屋や家具に深刻な被害をもたらす厄介な存在です。放置すると毎年発生し被害が拡大するため、家のフローリングや家具に小さな穴や木粉を見つけたら、できるだけ早く対策を取りましょう。
家具や壁からガリガリと木をかじるような音がしたら、キクイムシを疑ってみてください。