日本最大級を謳うフードフェス「グルメンピック」が突然の延期
グルメンピック
フードフェスが大変な活況を帯びていますが、グルメンピックをご存知でしょうか。
グルメンピックは日本最大級のフードフェスを謳い、2017年2月13日から17日および2月20日から24日に東京「味の素スタジアム」内のアジパンダ広場で、2017年2月17日から24日にかけては大阪「舞洲スポーツアイランド」で開催される予定でした。
過去形になっている理由は、開催が日時未定の延期となっているからです。加えて、1月23日に行われる予定だった事前説明会も延期になっています。
出店者が主催者である大東物産株式会社に電話をしてもつながらず、会社には人の気配もありません。このような状況なので、出店者が出店を取りやめて出店費用を返してもらうこともできず、大きな問題になっています。
(Wikipediaに記載されているグルメンピックとは関係ありません)
NetIB-Newsが取材
このグルメンピックに関する件は、まだ事件性がはっきりと認められていないということもあり、大手メディアではあまり報じられていません。しかし、NetIB-Newsが精力的に取材しており、以下の記事に詳しいです。
出店者がグルメンピックのFacebookページに集まり、そこで情報を交換したりし、対策を練ったりしていると述べられています。
出店者の声
自身のブログで経緯を説明している出店者もいます。
Yahoo!知恵袋ではグルメンピックに関するネガティブな投稿も多いです。
言及されていることは、ほとんどがグルメンピックを主催する大東物産に対する懐疑ばかりです。
- イベント開催実績が皆無
- 対面で会おうとしない
- 東京と大阪での開催だが運営事務局は沖縄
- 出店者に対して異常なほど好条件
- 電話したがつながらない
- 会社を訪れたが誰もいない
こういった不信感から、詐欺ではないかという声が強まっています。
他の不審点
私は以下の2点について特に不審に思っています。
- 規模が大きい
- SNSが利活用されていない
規模が大きい
まず規模が大きいことです。以下の大きなフードフェスと比べても、グルメンピックの会場の広さと出店数は遜色がないことが分かります。
- 肉フェス TOKYO 2016 春/シンボルプロムナード公園 夢の広場/32店
- まんパク in 万博 2016/大阪・万博記念公園東の広場/84店
- 下北沢カレーフェスティバル2016/下北沢駅周辺/142店
- 世田谷パン祭り/世田谷公園周辺)/120店
- 東京ラーメンショー2016/駒沢公園/100店
- 全国ご当地どんぶり選手権inツーリズムEXPOジャパン2016/東京ビッグサイト/16店
大手のイベント会社でもなく、ましてやイベントの運営実績のない大東物産が、他のイベント会社の助けなしに、東京と大阪で同時開催し、自身で日本最大級と謳うフードフェスを運営するのはとても現実的ではありません。食品衛生に気を付けたり、食品営業許可をとったりするのは当然のことながら、企画や立案、会場の割付や設営、出店店舗のケアからメディア対応まで、全てをこなすのは難しいでしょう。
SNSが利活用されていない
次の不審点は、SNSが利活用されていないことです。
グルメンピックのFacebookページは残っていますが、「レッツエンジョイ東京」のイベント情報、TwitterやInstagramのアカウントは既に削除されています。
延期ということであれば、中だるみしないように、ますますSNSで盛り上げていかなければならないのに、アカウントを削除してしまうのは理解に苦しみます。
Facebookページでも普通は、延期によって盛り下がらないようにと、必要以上に宣伝するものでしょう。オープンが延期になったレストランのオーナーシェフなどは懸命にFacebookなどのSNSで存在を訴えます。
しかし、グルメンピックのFacebookページには、準備の様子や出店店舗の紹介もなく、開催へ向けて盛り上げていこうという気配が微塵も感じられません。
また、開催に関するプレスリリースの転載やイベント情報の登録はありますが、グルメンピックが取材を受けて書かれた記事は皆無です。
表に出たくなかったり、宣伝したくなかったりするのは、何か裏があるように感じられます。
フードフェスの節目
色々な不審点があるにも関わらず、出店費用を振り込んでしまったことに対して、自業自得だと批判する声もありますが、まだ大東物産からの説明がなく、全容が分かっていない段階で、出店者を批判するのは時期尚早なのではないかと考えています。
フードフェスに出店することで、多くの来場者が詰めかけて売上や知名度が上がり、メディアでの露出も増えて今後の営業にもつながるだけに、日本最大級を謳うグルメンピックに期待するのも理解できます。
ただ、昨年は杜撰な管理から大きな食中毒を起こしたり、今回のように詐欺が疑われる事件が起こったりしていることを鑑みると、主催者も出店者も、単に集客できるからと飛びつくのではなく、フードフェスのあり方を考えてみる節目なのではないかと思うのです。