クラッシャー上司が待機児童問題や日本経済低迷を深刻化させているようです
クラッシャー上司とは、執拗に部下を責めたり暴言でつぶし、自分だけは出世していく人たちのことだ。そのクラッシャー上司が、保育の現場にも蔓延しているらしい。
保育関連の転職支援サービスを行っている(株)ウェルクスが、正規やパートの保育士など104人を対象にアンケートを実施したところ、「職場にクラッシャー上司がいる」との回答が82%も占めたそうだ。その回答者にクラッシャー上司の行動を訊いたところ、「自身がパワハラを行っていることに気付いていない」との回答が90%もあった。クラッシャー上司は、人としての資質からして問題があるらしい。そういう人たちが自覚無しに、貴重な才能をつぶしているのだから、なんとも恐ろしい。
こうしたクラッシャー上司のために、心身に不調をきたしたり、退職したりする保育士も多い。アンケートでは、クラッシャー上司がいると答えた回答者のうち、そういう被害者が周りにいると答えた人は92%にのぼっている。
クラッシャー上司が保育士の健康を奪い、退職に追いやり、そのため職場の雰囲気を最悪にしているわけだ。これでは、保育士の数が増えるわけがない。
待機児童が大問題になっているが、その根本的な原因は保育士の数が足りないことにもある。じゅうぶんではないが、給与面などの待遇改善も徐々に検討されつつはある。
しかし、クラッシャー上司の存在を放っておいては、保育士の希望者は増えないし、せっかく採用しても退職者が後を絶たないことになる。それでは数の確保は難しいし、待機児童問題は解決しない。
だいいち、クラッシャー上司が幅をきかせている職場では、保育士は大きなストレスを抱えることになる。そんな保育士に健全な保育ができるわけがなく、保育現場そのものが、とんでもないことになっている可能性は高い。
保育園だけではなく、一般企業でもクラッシャー上司の存在が問題になってきている。有能な人材をつぶし、職場の活気を失わせる元凶になっているのだ。クラッシャー上司の存在は、もはや日本社会の「病」でしかない。これを治療しなくては、保育園の問題も、日本経済の問題も解決しないのではないだろうか。