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プーホルスが正式に引退。703本塁打は歴代4位、2218打点は2位。これをトラウトと比べると…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アルバート・プーホルス Oct 3, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、42歳のアルバート・プーホルスは、109試合に出場し、24本塁打とOPS.895を記録した。後半戦の56試合に限れば、18本塁打とOPS1.103だ。それでも、開幕前に表明していた引退を撤回する気は起きなかったらしい。

 MLB.comのマーク・フェインサンドによると、プーホルスは引退の書類にサインをしたという。8月下旬には、USAトゥディのボブ・ナイテンゲールが、700本塁打に到達しなくてもプーホルスは引退するつもりでいる、と報じていた。

 フェインサンドのツイートの最後に「ネクスト・ストップ:クーパースタウン」とあるように、プーホルスの殿堂入りは間違いない。

 2001~22年の22シーズンに記録した703本塁打と686二塁打は、それぞれ、歴代4位と5位に位置する。どちらもトップ10に入っている選手は、プーホルスしかいない。2218打点は歴代2位。2297打点のハンク・アーロンと2214打点のベーブ・ルースの間だ。MLB.comは、ルースの打点を2213としているが、順位は変わらない。

 歴代10位以内のスタッツは、他にもある。出場3080試合は5位、3384安打は10位あるいは9位(ベースボール・リファレンスとMLB.com)、6211塁打は2位、1405長打は3位、123犠飛は3位タイ、316敬遠四球は2位だ。

 ロサンゼルス・エンジェルスでチームメイトだったマイク・トラウトは、これまでの12シーズンに、350本塁打、296二塁打、896打点、出場1407試合、1543安打、2991塁打、697長打、53犠飛、117敬遠四球を記録している。だが、いずれもまだ、プーホルスの半数に達していない(51三塁打はすでにプーホルスの3倍以上で、204盗塁は2倍近い)。

 ちなみに、プーホルスの426併殺打は、誰よりも多い。歴代2位と3位は、353併殺打のミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)と350併殺打のカル・リプケンJr.なので、大きな差がある。

 なお、セントルイス・カーディナルスでプーホルスとともに過ごし、こちらも今シーズン限りで引退するヤディアー・モリーナは、歴代14位タイの287併殺打を記録した。テッド・シモンズデレク・ジーターの2人と並んでいる。シモンズとモリーナは、どちらも捕手だった。シモンズは、メジャーリーグでプレーした21シーズンのうち、最初の13シーズンがカーディナルス。モリーナは、19シーズンともカーディナルスだ。

 プーホルスの引退については、こちらでも書いた。

「プーホルスがエンジェルスに戻ってくる!? 10年2億4000万ドルの契約はすでに満了しているが…」

 こちらは、プーホルスと同じ年齢のスラッガーについてだ。

「プーホルスは引退するが、同じく42歳のスラッガーは現役続行の意思あり。最後にたどり着きたいのは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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