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プーホルスがエンジェルスに戻ってくる!? 10年2億4000万ドルの契約はすでに満了しているが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヤディアー・モリーナ(左)とアルバート・プーホルス Oct 4, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)が、ロサンゼルス・エンジェルスへ戻ってくるかもしれない。

 プーホルスは、2001年から2011年までセントルイス・カーディナルスでプレーした後、FAとなって、エンジェルスと10年2億4000万ドルの契約を交わした。契約10年目の昨年5月に解雇となり、ロサンゼルス・ドジャースへ。そして、今シーズンはカーディナルスで再びプレーした。

 開幕前に、プーホルスは、今シーズン限りで引退することを表明している。24本塁打とOPS.895を記録したことで、引退を撤回するつもりになった、というわけではない。

 プーホルスがエンジェルスと交わした契約には、10年1000万ドルのパーソナル・サービス・コンタクトが付いていた。フロント・スタッフやコーチとして、エンジェルスに在籍できるということだ。ロサンゼルス・タイムズのマイク・ディジオバンナによると、プーホルスと関係の深い人物が「彼はそれを実行するつもりでいる」と語ったという。プーホルスとエンジェルスの契約なので、オーナーが交代しても、条件に変更はない。むしろ、プーホルスは、新オーナーの下でエンジェルスに在籍することを楽しみにしているらしい。

 現在のシアトル・マリナーズにイチローが籍を置いているのと、似たような形になるのだろうか。ただ、プーホルスの場合、エンジェルスよりもカーディナルスのほうがふさわしい気もする。3度のMVPも2度のワールドシリーズ優勝も、すべてカーディナルス時代だ。

 なお、プーホルスは、通算703本塁打のうち、31.6%の222本塁打をエンジェルスの選手として記録した。エンジェル・スタジアムで打った110本塁打は、現在のブッシュ・スタジアム(2006年~)の122本塁打に次いで多く、旧ブッシュ・スタジアム(~2005年)の94本塁打を上回る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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