2023年東京は史上最も暑い年に
2023年の東京の年平均気温(1月~11月)は平年より1.8度高い18.4度となり、1876年以降では最も高くなりました。今年は史上最も暑い年になる見通しです。
19年ぶりの大幅更新
今年は11月までのすべての月で、平均気温が平年を上回り、3月、4月、7月、8月、9月の5か月はトップ3に入る記録的な高温でした。このため、これまで最も暑かった2004年の年平均気温(1月~11月、18.0度)を大きく超えて、19年ぶりの記録更新です。
東京で近代的な気象観測が始まったのは明治の初めで、気温は上がったり下がったりを繰り返しながら、この140年余りで約3度上昇しました。
暑くなった要因にはさまざまなことが考えられますが、東京の著しい経済発展、都市化は大きな要因のひとつでしょう。しかし、これだけでは毎年のように繰り返される猛暑は説明できないと感じています。
海面水温は過去最高に
今年、注目されたのが日本近海の海面水温の高さです。気象庁は夏と秋の2季節連続で、1982年以降、最も高くなったと発表しました。
今年1月と9月を比べてみても、その差は歴然としていて、まるで日本列島が湯船に浸かっているようです。
今後、東京の暑さはどうなるのでしょう
この夏の東京の猛暑日(日最高気温35度以上の日)は22日となり、観測史上初めて20日を超えました。平年では4日~5日ですから、尋常ではない暑さは数字にも表れています。
現状のままの温暖化対策を続けたら、今世紀末には世界の平均気温は産業革命前よりも4度上昇する予測で、東京の猛暑日は35日前後になる可能性が高いとされています。
まだまだ先の話と思っていましたが、今年の暑さを経験してはそうも言っていられない。このペースで暑くなれば、今世紀末を待つまでもないことは明らかです。
【参考資料】
気象庁:秋の日本の平均気温と日本近海の平均海面水温の記録的な高温について~平均気温は3季節連続、平均海面水温は2季節連続で記録更新~、2023年12月1日
東京管区気象台:東京都の気候変動、これまでの気候の変化と21世紀末における気候の予測をとりまとめたリーフレット、2022年3月