1本杖をおすすめしたい人【理学療法士がいろんな杖をご紹介します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
歩きをサポートする道具にはたくさんの種類がありますが、今回は1本杖やT字杖と呼ばれるオーソドックスな杖をご紹介します。
1本杖の特徴
まっすぐな棒に握るところがついている、THE杖!です。
グリップ(握る部分)の形状によって、T字型・L字型・オフセット型と分類されることもあります。
アルミなどの軽い素材で作られているものが多く、高齢者でも負担は感じにくいと思います。
使い方
グリップ部分を握ります。
杖の先を地面について歩きます。
以上!!!
とっても簡単です。
ただし、初めて杖を使うよという方は、どのタイミングで杖を地面につけばいいのか混乱してしまう方もいます。
右手で杖を使う人は、左足を出すタイミングで杖をトンと地面についていただければOKです。
左手で杖を使う人は、右足を出すタイミングで杖をつけばOKです。
使用目的
臨床現場でT字杖をおすすめする理由は大きくわけて次の4点です。
歩行の安定
人間は二足歩行で歩く動物ですが、なにげなく歩いているようで実は筋力やバランス能力が必要です。
特に高齢者になると、足腰の筋力や持久力の低下により、二足歩行では不安定になることがあります。
そんなときに第3の足として杖をおすすめしています。
足腰にかかる負担を軽減
杖をつくことで、足のみにかかっていた負担を分散させることができ、痛みを緩和したり、歩行距離を長くすることができます。
安心感をもたらす
歩くことに自信がなくなってしまったり、転倒歴のある方は、外出はおろか、家の中でも歩くことへの不安を抱いていることがあります。
杖を使用することで、バランスを崩したときの支えになったり、歩きやすいという実感から身体のこわばりが和らぐこともあります。
杖の先にある障害物がわかりやすい
杖は自分よりも前を進んでくれているため、ちょっとした段差や凸凹にも気付きやすく、転倒予防にも繋がります。
高齢者だけでなく、視覚障害の方も杖を目の代わりとして使用されることもあります。
こんな方に使ってほしい
上記の使用目的に当てはまる方に加えて、1本杖をオススメしたい方は、杖がなくてもある程度自分の足で歩ける状態の方です。
1本杖は「転ばぬ先の杖」ともいわれているように、念のため使うものです。
杖を頼りにというよりはサポートしてくれる仲間というイメージをお持ちいただければと思います。
まとめ
今回は1本杖の特徴や使用目的について解説してきました。
身体の状況によっては1本杖より他の種類の杖をおすすめすることもありますので、他の種類の杖についても次回以降解説していきたいと思います。
少しでも理学療法やリハビリテーションに興味を持っていただけたらうれしいです。