【バイキングの日】ブッフェはバイキングではないのか?
8月1日はバイキングの日
8月1日は何の日であるか、ご存知でしょうか。
「【革新するブッフェ】帝国ホテルが始めた「バイキングコンシェルジュ」とは?」の中でもご紹介したように、バイキングの発祥は1958年8月1日にオープンした帝国ホテル「インペリアルバイキング」であり、50周年の節目となる2008年、日本記念日協会によって8月1日が「バイキングの日」として制定されました。
文化として広める
バイキングの日が制定されて以来、帝国ホテルは8月1日の前後にバイキングの歴史を展示したり、写真コンテストを開催したり、系列ホテルも含めて特別フェアを行ったりして、盛り上げています。
帝国ホテルが培ってきたバイキングをより多くの人に知ってもらうことによって、文化として認知されるように努めているのです。
2013年には横断的なフェアを
こういった活動が徐々に周知されたり、私も微力ながら協力させていただいたりした結果、2013年には、帝国ホテルはもちろん、以下のホテルでも<バイキングの日>にちなんだフェアを行うことになりました。
(五十音順)
- 浅草ビューホテル
- ウェスティンホテル東京
- オリエンタルホテル東京ベイ
- グランド ハイアット 東京
- 京王プラザホテル
- コートヤード・マリオット 銀座東武ホテル
- ザ・リッツ・カールトン東京
- 品川プリンスホテル
- 第一ホテル東京
- ヒルトン東京
- ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ
- ホテル グランドパレス
- ホテル ニューオータニ
- ホテルメトロポリタン
- 横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ
今年も OZmall で特集
OZmall では、私とコラボレーションした「バイキングの日」特集を公開しました。20代から30代の女性を中心に多大な支持を集めている OZmall が特集したことの意味は大きく、普段はブッフェを利用しないような層にもリーチすることができています。
昨年に引き続き、2014年も「バイキングの日」特集を行っており、定番化しそうです。
言葉の違い
ところで、先程からバイキングと述べていますが、<バイキング>、<ブッフェ>、<ビュッフェ>、<バッフェ>、<食べ放題>はそれぞれどのように異なるのでしょうか。
文化として語られるには、まず言葉の意味からしっかりと定義されなければなりません。それは、ラーメンが「だし」「たれ」を明確に定義して体系的な理論を獲得し、文化に昇華して国民食になったことを鑑みれば分かることでしょう。
ブッフェ、ビュッフェ、バッフェは同じ
<ブッフェ>と<ビュッフェ>は日本語での発音表記が違うだけで、どちらとも「buffet」を指しています。<バッフェ>は英語の発音を、<ブッフェ>や<ビュッフェ>はフランス語の発音をもとにしているだけなので、<バッフェ>も「buffet」を指しています。
この「buffet」は狭義の意味では「立食形式」を表しており、例えばパーティーにおける「着席」の反対語で使われるなどしています。従って、ブッフェレストランにおける「自由に好きなだけ食べられる」という意味は本来ありません。
バイキングは和製英語
<バイキング>は、帝国ホテルが1958年にオープンした「インペリアルバイキング」(2004年のリニューアルから「インペリアルバイキング サール」)から作られた造語で和製英語となります。
もともと高級料理の代名詞であった<バイキング>もだいぶ慣れ親しんできて、高級感が薄れているのが現状です。
ブランディングという観点から
文化的な背景を汲むと、<食べ放題>以外は正当性を欠いており、<食べ放題>だけが最も正しく本質を捉えていることになります。しかし、日本語において「~放題」はチープなイメージがあるので、町場のリーズナブルな店以外ではあまり好んで使われません。
そのため、ブランディング的な理由で、私も含めてホテルなどでは<ブッフェ>を積極的に用いています。
バイキング発祥の帝国ホテルでは、前述のいずれでもなく<ブフェ>を使用しているところが、興味深いです。
ホテルのブッフェレストランは大人気
安全で一流の料理を定額で好きなだけ食べられるとあって、ホテルのブッフェはとても人気が高いです。
帝国ホテル「インペリアルバイキング サール」、ウェスティンホテル東京「ザ・テラス」、京王プラザホテル「グラスコート」、浅草ビューホテル「武藏」、品川プリンスホテル「ハプナ」などでは、オープン前からエントランスには黒山の人だかりで、驚くほど大盛況です。
ブッフェレストランは、人件費を削減できる上に、アラカルトよりも単価が高く、席数も多くて回転するので、安定して収益を稼ぎ出せます。そのめため、最近のホテルには必ずブッフェレストランがあるのです。
言葉を伝えていく
ブッフェがこれだけ人気になっているとは言え、食のブームは移り変わりが激しいので、一過性に終わってしまう可能性があります。そうならないためには、文化的な地位を向上させることによって、より深くブッフェを浸透させることが必要ではないでしょうか。
そのためにはまず、バイキングの日を認知してもらうことはもとより、ブッフェやバイキングといった言葉の意味についても伝えていかなければなりません。