ラニーニャは12月がピーク 大雪による車の立ち往生は年末から増える
ラニーニャは12月にピークを迎え、冬の終わりまで続く可能性が高い。11月はラニーニャの影響で、東京や大阪で記録的な晴れとなった。大雪による車の立ち往生は年末から多くなる。今後は短時間で積もる激しい雪に注意が必要だ。
ラニーニャ 冬の終わりまで
気象庁は10日、定例のエルニーニョ監視速報を発表し、ラニーニャ現象は冬の終わりまで続く可能性が高いとの見通しを示しました。今後の予測では12月が底になるとみられ、1月以降は水温が徐々に上昇する可能性が高いです。
ラニーニャ現象がピークとなる月を調べてみると、明らかな傾向があります。これまで発生した16回のうち、秋から冬が大半を占め、最も多かったのが12月(約4割)です。
気象庁によると、先月(11月)は高気圧に覆われる日が多かったため、東京、名古屋、大阪などで日照時間が記録的に多くなりました。これはラニーニャ現象の影響によるものとみられます。
穏やかな師走が一転、ドカ雪に
昨冬(2020年12月~2021年2月)もラニーニャ現象が発生していました。12月の初めは暖かい日もあり、香川県高松市では平年より1か月以上早く、梅が開花しました。
しかし、穏やかな師走もつかの間で、15日から16日にかけては群馬県や新潟県で激しい雪が降りました。タイトル画像はそのときの雪雲を見たもので、北西の季節風とほぼ同じ方向に並んでいる雪雲とは別に北西の季節風に直交するように、南西から北東に並んだ雲列がみえます。
これはTモード(Transverse mode)型すじ状雲と呼ばれ、この雲列が発生したときは日本海側の広い範囲で大雪となることが知られています。
大雪で立ち往生は年末から増える
昨冬と同じようにラニーニャ現象が発生しているこの冬もドカ雪被害は起こるのでしょうか。2010年以降、車や列車が立ち往生した主な大雪事例を調べてみると、12月末から増える傾向にあります。
同じ強さの寒気でも、日本海の水温が高い12月は大雪になりやすい。一晩で1メートル近い雪が積もることも珍しくはありません。昨年(2020年)12月15日から16日にかけては新潟県湯沢町で24時間降雪量が113センチに達し、観測史上最大を記録しました。
関越自動車道では16日夕方から断続的に車の立ち往生が発生し、一時はどのくらいの車が巻き込まれているのか把握しきれない状況に。除雪に手間取り、通行止めの解除には2日以上かかりました。
クリスマスにかけて、寒さ本格化
10日(金)は全国的に気温が上がり、金沢では平年を5度以上上回る16.1度まで上がりました。いつ頃から寒さや雪が本格化するのでしょう。こちらは13日(月)朝の雪や風の予想図です。
北西の季節風が強まり、北陸から北の日本海側では平地でも雪が積もる降り方となるでしょう。その後もクリスマスにかけて、次々と寒気が流れ込む予想です。足踏みしていた冬がいよいよ動き出しそうな気配がします。
【参考資料】
気象庁:エルニーニョ監視速報(No.351)、2021年12月10日