全国的に暑い秋が続く中、北日本ではすでに紅葉が見頃を迎えているエリアも出てきている。紅葉シーズンは気温がグッと下がり、温泉が恋しくなる季節でもある。

そこで今回は、例年10月上旬から中旬にかけて紅葉が見頃を迎える温泉地を５カ所紹介したい。

十勝岳温泉・凌雲閣（北海道上富良野町）

十勝岳中腹の大自然に囲まれた山の温泉地。旅館「凌雲閣」は標高1280m、北海道で最も高地に立つ一軒宿。何と言っても、自慢は十勝岳連峰を望む絶景露天風呂。紅葉の季節は開放感あふれる露天風呂から、赤や橙色に染まる山々を望むことができる。かけ流しにされた赤茶色に濁った源泉も温泉ファンに人気。紅葉は例年よりも1週間ほど早く、今が見頃。

層雲峡温泉（北海道上川町）

大雪山連峰の北東に位置する温泉街は、北海道でも有数の規模を誇る。渓谷沿いに切り立つ柱状節理の岩肌の景色が見事。「層雲峡・黒岳ロープウェイ」「銀河・流星の滝」など絶景スポットが多く、特に木々が赤色や黄色に染まる紅葉シーズンの景観はすばらしい。各旅館のほか、日帰り入浴施設「黒岳の湯」でも気軽に入浴を楽しめる。紅葉の見ごろは例年、10月上旬～10月中旬。

トムラウシ温泉・東大雪荘（北海道新得町）

北海道のど真ん中に位置する一軒宿「東大雪荘」。日本百名山トムラウシ山登山の拠点であり、日常から隔絶された大自然の中で、静かな時間を過ごしたい人には最適。渓流に面した広々とした露天風呂からは新緑、紅葉、雪など季節ごとの風景も楽しめる。例年、紅葉シーズンは9月中旬～10月中旬。

須川温泉・須川高原温泉（秋田県・岩手県）

栗駒山の8合目（標高1126m）に位置する県境の温泉。秋田県側にある「栗駒山荘」の露天風呂は、須川高原の大自然が一望に見渡せる大パノラマが見事。ほとんど人工物がない景色が広がり、秋は紅葉が美しい。湯量豊富で、大きな露天風呂には強酸性の硫黄泉がかけ流しにされている。一方、岩手県側にある須川高原温泉の大露天風呂「大日湯」は、大日岩という巨大な岩を見上げるロケーション。乳白色のにごり湯が美しい。紅葉は例年、9月下旬～10月中旬が見頃。

酸ヶ湯温泉（青森県青森市）

八甲田山中にある一軒宿で、日本有数の豪雪地帯としても知られる。酸ヶ湯温泉旅館は日本を代表する湯治場として有名で、総ヒバ造りの「ヒバ千人風呂」には乳白色の源泉が贅沢なほどにかけ流される。旅館には内湯しかないが、周囲は紅葉の名所。例年、10月上旬から中旬の紅葉シーズンには散策やトレッキングで訪れる人が多い。

※紅葉の見ごろの時期については例年のデータを参照しています。今年の状況については現地の観光協会等で問い合わせてからお出かけください。