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源泉かけ流しばかり!「にごり湯が美しい温泉」5選(関東編)

高橋一喜温泉ライター/編集者

温泉には大きく分けて「無色透明の湯」と「にごり湯」が存在する。無色透明の湯にも名湯は多いが、せっかく遠出をするなら「特別な温泉」に入りたい、という人も多いだろう。

そんな人におすすめしたいのが「にごり湯が美しい温泉」だ。温泉はそれぞれが個性をもつ。白や緑、茶、青、赤などさまざまな色の温泉があり、温泉情緒を演出する効果がある。見た目も美しい個性的な源泉につかると「ああ、はるばる温泉にやってきたなあ」と満たされた気持ちになるだろう。

そこで、今回はにごり湯が楽しめる温泉を関東エリアに絞って5カ所紹介したい。源泉かけ流しで、鮮度の高い湯ばかりである。

那須湯本温泉(栃木県)

昔ながらの湯治場の雰囲気が今も色濃く残る温泉地。乳白色のにごり湯が湧く。1300年の歴史をもつ日帰り温泉「鹿の湯」の木造の浴室には41~48度の湯船が6つ並ぶ(男湯)。硫黄が香る乳白色の湯は当然かけ流し。お気に入りの泉温の湯船を選んで入浴できるのがうれしい。頭から「かぶり湯」をしてから入浴するのが流儀。ゆっくりできるなら、昔ながらの湯治宿が並ぶ温泉街にも滞在したい。

亀山温泉(千葉県)

房総半島の山間部にある亀山湖畔に湧く湯は、植物由来の「モール泉」だ。東京湾沿岸によく見られる「黒湯」で、湖畔の宿「亀山温泉ホテル」は「チョコレート色」と呼ばれる個性的な源泉が掛け流しにされている。亀山湖は千葉県屈指の紅葉の名所で、周辺の見頃は例年11月中旬から12月上旬にかけてと、紅葉を遅くまで楽しめることで知られる。

鹿沢温泉(群馬県)

上信越高原国立公園内、標高1500mに湯煙を上げる山の温泉地。一軒宿の鹿沢温泉「紅葉館」は明治創業の歴史ある湯治宿で、日帰り利用もできる。歴史を重ねたレリーフが特徴の内湯には、緑色のにごり湯が滔々と掛け流し。湯の花が大量に舞う本格派だ。温泉ファンがわざわざ訪ねてくる源泉自慢の宿である。

伊香保温泉(群馬県)

365段の石段街に旅館や店舗が立ち並ぶ上州の名湯。無色透明の湯とにごり湯の2つの源泉があるが、歴史ある源泉「黄金の湯」は、茶褐色の濁りが特徴。石段街に沿って並ぶ温泉旅館でも入浴できるが、石段をのぼりきった先にある「伊香保温泉露天風呂」は気軽に入浴できる日帰り温泉。情緒ある和風露天に濁り湯がマッチする。

奥塩原元湯温泉(栃木県)

塩原温泉郷のひとつで、奥塩原新湯温泉よりもさらに奥に位置する。3つの温泉宿で構成される小さな温泉地だが、緑色の濁り湯をもつ「元泉館」、乳白色の間欠泉が自慢の「ゑびすや」、珍しい黒色の源泉が湧く「大出館」と、それぞれ個性的な濁り湯をもつので、泉質を重視する人ほど、どこに入浴しようか迷ってしまうはずだ。なかでも大出館は、黒色と緑色の湯船が隣り合う貴重な光景を目の当たりにできる。

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温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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