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関東で今年初めての猛暑日・東京都心でも真夏日だが、週明けは低気圧の通過で雨のちカラッとした晴天

饒村曜気象予報士
タイトル画像 九州北部から東北に広がる晴天域(5月29日12時)

猛暑日

 令和4年(2020年)5月29日は、高気圧に覆われ、南から暖かい空気が流れ込んでいることに加えて、強い日差しが照りつけて西日本や東日本では気温が上昇しました(タイトル画像参照)。

 このため、群馬県高崎市上里見と栃木県佐野市では最高気温が35.2度となり、全国で今年初めての猛暑日(最高気温が35度以上の日)になりました。

 また、東京都心では最高気温が31.2度と今年初めて真夏日(最高気温が30度以上の日)となるなど、全国で気温を観測している914地点のうち、261地点(約29パーセント)で真夏日となりました(図1)。

図1 真夏日の観測地点数と夏日観測地点数の推移
図1 真夏日の観測地点数と夏日観測地点数の推移

 なお、夏日(最高気温が25度以上)も、625地点(68パーセント)となっていますが、5月25日の673地点(69パーセント)には及びませんでした。

 また、東日本の内陸部で湿度が50パーセント以下になるなど、湿度が低いために空気はカラッとして真夏のような暑さではありませんでした(図2)。

図2 地表面付近の相対湿度の解析図(5月29日12時)
図2 地表面付近の相対湿度の解析図(5月29日12時)

 とはいえ、まだ暑さに慣れていない時季ですので、体感的にはきつく感じた人もいたのではないかと思います。

週明けの低気圧

 週明けは、前線上に低気圧が発生し、西日本の南岸を東進する見込みで、西日本から東日本へ雨域が広がり、気温は29日よりは低くなる見込みです(図3)。

図3 予想天気図(5月30日21時の予想)
図3 予想天気図(5月30日21時の予想)

 この低気圧が通過した後は、前線が南下し、沖縄付近に停滞し、西日本から東日本は大陸育ちの高気圧におおわれ、晴れる見込みです。

 この大陸育ちの高気圧は、真夏の太平洋高気圧と違い、極端な暑さや湿度ではありません。

 東京の最高気温と最低気温の推移を見ると、5月29日に真夏日になりましたが、その後は、週末にかけて気温が下がっていきます(図4)。  

図4 東京の最高気温と最低気温の推移(5月30日~6月5日は気象庁、6月6日~14日はウェザーマップの予報)
図4 東京の最高気温と最低気温の推移(5月30日~6月5日は気象庁、6月6日~14日はウェザーマップの予報)

 太平洋高気圧が発達し、梅雨入りし、湿度が高く猛烈に暑くなる前の、さわやかな晴天ですので、大切に使いたいものです。

関東甲信の梅雨入りは

 ウェザーマップが発表した東京の16日先までの天気予報では、6月9日までは、お日さまマーク(晴れ)や白雲マーク(雨の可能性が少ない曇り)がみられ、傘マーク(雨)や黒雲マーク(雨の可能性がある曇り)の日は長続きしません(図5)。

図5 東京の16日先までの天気予報
図5 東京の16日先までの天気予報

 しかし、6月10日以降は、連日傘マークか、黒雲マークです。

 降水の有無の信頼度が、5段階で一番低いEか、二番目に低いDが多い予報ですが、6月10日頃に、関東甲信地方で梅雨入りがあるかもしれません。

 関東甲信地方の梅雨入りの平年は、6月7日ですので6月10日に梅雨入りした場合は、平年より3日遅い梅雨入りということになります。

タイトル画像、図2、図5の出典:ウェザーマップ提供。

図1の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

図3の出典:気象庁ホームページ。

図4の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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