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ドラフト全体1位が再昇格の1試合目にグランドスラムを打つ。最初の昇格時は打率.059、単打2本

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャクソン・ホリデイ(ボルティモア・オリオールズ)Jul 31, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月31日、「8番・二塁」として出場したジャクソン・ホリデイ(ボルティモア・オリオールズ)は、5回裏、1死満塁の場面で、メジャーリーグ初のホームランを打った。

 スタットキャストによると、打球の初速は109.2マイル、推定飛距離は439フィート。打球は、カムデンヤーズの外野スタンドを越えていった。

 ホリデイは、2022年のドラフト全体1位だ。今シーズンの開幕直後、4月10日にメジャーデビューしたが、10試合で長打なしの打率.059(34打数2安打)を記録し、半月後にAAAへ戻された。それについては、こちらで書いた。

「2年前のドラフト全体1位がデビュー10試合でマイナーリーグ降格。打率0割台、打席の半数は三振」

 降格後は、打率.259(224打数58安打)と出塁率.421。安打の半数近くを、長打が占めた。ホームランが8本と二塁打が20本だ。

 再昇格1試合目のグランドスラムだけで、今後を占うことはできないが、まずは幸先のいい再スタート、と言っていいだろう。ちなみに、父のマット・ホリデイは、6試合目に最初のホームランを打った。だが、デビュー時の年齢は、父が24歳、息子は20歳だ。父の初グランドスラムは、出場52試合目だった。

 オリオールズは、ここから、ホリデイが二塁に定着することを望んでいるはずだ。

 今シーズン、オリオールズで二塁手として先発出場したのは、ホルヘ・マテオが52試合、ジョーダン・ウエストバーグが35試合、ホリデイが11試合、コナー・ノービーが9試合、トニー・ケンプが2試合。ウエストバーグは、三塁出場のほうが多い。こちらは、64試合だ。

 マテオは、7月23日に遊撃手のガナー・ヘンダーソンと交錯し、左肘を痛めた。ウエストバーグは、ホリデイがグランスラムを打つ直前に死球を受け、右手を骨折した。2人とも、復帰できたとしても、レギュラーシーズンの終わり頃だろう。

 ノービーは、先発投手のトレバー・ロジャースが加わったトレードで、交換要員の一人として、マイアミ・マーリンズへ移籍した。ケンプは、現在、シンシナティ・レッズ傘下のAAAにいる。オリオールズを退団した経緯については、こちらで書いた。

「ドラフト全体1位のデビューでロースターから外され、別のドラフト全体1位が離脱中の球団へ」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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