時間が経ってもおいしく食べたい!そうめん「ゆで置き」のコツ
夏に出番が多い、そうめんや冷やむぎ。夏休みに留守番するお子さん用のお昼ごはんや、夜遅く帰ってくる家族のためにゆで置きをしておきたいこともあると思います。お弁当をそうめんにするのも目先が変わって喜ばれそうですね。
ゆでたあと、数時間後に食べるにはどうしたらいいのでしょうか。今回はそうめんの選び方、ゆで方、保存の仕方をまとめてみました。
ゆで置きするなら「手延べそうめん」を選ぼう
そうめんには「手延べそうめん」と「機械そうめん」があります。価格は手延べそうめんの方が少し高く、1袋300g(6束入り)で400円前後。機械そうめんは1袋200円前後と大きな開きがありますが、これには理由があります。
手延べの方は字の通り、手作業で製造されたそうめんのこと。うどんのような太い状態の生地を棒状にし、ねじりを加えて縄のように編み込みながら細く延ばして熟成する、という作業を何度も繰り返します。
延ばす際は一定方向に力を加えるため、小麦粉に含まれるたんぱく質の成分「グルテン」の組織もらせん状の構造になります。もちもち食感のもととなるでんぷん粒が表面に出るのではなく、麺の中に編み込まれている状態なのでツルツルの食感に。ゆでた後ものびにくい特徴があります。
一方で機械延ばしのそうめんは、製麺機で麺を延ばしてそのままカットし乾燥作業を行います。手延べのように繰り返し延ばすわけではないので、グルテン形成にもバラつきがあり、ゆでのびしてしまうのも早いです。
でも、機械そうめんはその分お安く買えますし、手延べとは違ったもっちり食感が楽しめます。ただ、ゆで置きする前提であれば、機械そうめんではなく手延べを選ぶことをおすすめします。
ゆで置きでも表示時間通りに
数時間後に食べる場合でもゆでたてと同様に、パッケージ裏面に書かれている通りのゆで時間でOKです。ゆでるお湯の量に対し1%程度のお酢を入れると、より締まった麺になります。
少し硬めに仕上げようと、時間を短めにゆでることもあると思いますが、これは逆効果。水にさらして洗う時や、ザルに上げて水気を切る時に水分を吸い込もうとしてしまうんです。氷水に漬けて保存しておくのも同じ理由でおすすめできません。
ゆでたあとはそうめんのぬめりが気にならなくなるくらいまで洗い、ザルにあげて水気をしっかり取ります。この際、ザルの上でそうめんをドーナツ状の形にしておくと、真ん中部分から水分が落ちやすくなります。
空気に触れないよう保存するのがコツ
ゆで置きをする場合は空気に触れないよう保存袋などに入れ、しっかりと密封した状態で冷蔵庫へ。パスタを食べる時の要領でひと口サイズにクルクルと巻いてから保存しておくと、そのままの時よりそうめんがさらにくっつきにくく、のびにくくなります。
食べる時は氷の上に置いたり、冷やしためんつゆを直接かけたりしてもいいですね。めんつゆで氷を作っておくのもおすすめです。保存後のそうめんはゆでたての状態とまったく同じおいしさとはいきませんが、ゆでのびはそれほど気にせず食べることができます。
ゆですぎて余ったら「冷凍保存」もOK
そうめんをつい多くゆですぎて余ってしまった……。そんな時は冷凍保存もできます。密閉した状態なら2週間から1ヶ月ほどはOK。ただコシや風味は落ちますので、そのまま冷たくして食べるより、あたたかな出汁つゆ(めんつゆ)に入れて「にゅうめん」にした方がおいしく食べられます。
この場合でも、先ほどのようにひと口サイズにまとめて保存しておけば、必要な時にお椀にポンと入れて作れるので便利です。
ゆで時間も短く、調理も簡単なそうめんは夏の食卓の味方!上手に活用して、おいしく涼しい夏を過ごしてくださいね。