「転職希望者の情報入手」の報道で大炎上、いなば食品から考える理想の働き方と現実のギャップとは?
こんにちは。アクシス株式会社 代表・転職エージェントの末永雄大です。
中途の人材採用支援をしつつ、月60万人以上の読者を持つ「すべらない転職」という転職メディアを運営している中で、Yahoo!ニュースでは2013年から「働き方3.0」というテーマでキャリアや雇用分野について発信させてもらっています。
先日「週刊文春」が、株式会社マイナビがいなば食品に対して在籍社員の転職情報サイトへの登録状況を伝えていたなどと報じました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8eba5bed8cde6afc39ad296ba069555d587afe8c
この報道を受けて、いなば食品は3日に自社HPにて「一部報道に関するお詫び」と題した声明で、〈弊社の事実誤認であることが判明しました〉と発表し、マイナビ側も同日〈在籍社員の転職情報サイトへの登録状況をお話ししたという事実は一切ございません〉との文章を発表しました。
いなば食品は今年4月にも新卒採用者の多くが、入社直前の採用条件変更や「ボロ家」とも表現された社員向けシェアハウスなどを背景に、入社辞退をしていたことや、食品衛生法違反などが報じられており、一連の報道から多くのユーザーに不信感が募っています。
転職エージェントというキャリアに関わる者から見ると気になるのは採用条件の変更があったと言われるという報道です。
いなば食品のケースのように採用条件が変更されるということに限らず、入社後に業務や職場の雰囲気等で自分の理想としている働き方との間にギャップを感じることは少なくないと思います。
理想と現実のギャップ
・ 自分の興味やスキルに合ったクリエイティブな仕事がしたいのに単調な業務や雑務が多く、やりたいことができない
・自分の期待以下の給与であったり福利厚生が不十分である
・ プライベートと仕事のバランスが取れず、残業や過度な業務量によってプライベートが犠牲になる
働く中で感じる理想と現実とのギャップにはこうしたものが例として挙げられます。
近年、新卒の早期離職も話題となっています。その理由で最も多いのが自身の希望と業務内容のミスマッチとなっており、こうしたギャップを感じている人は少なくないとわかります。
ギャップとどう向き合っていくか
まずは自分の感じるギャップがどのようなものかを考えるために現状を把握する必要があります。現状を把握することで、自分の希望や考え、問題点がよりクリアなものになり、どのように解決していくべきかが考えやすくなります。
上司や人事担当者と相談するにしても、現状も理想も曖昧なままでは意味がありません。自分が何を求めているのかをきちんと主張できなければ、自分の理想の働き方に近づくことなど不可能だと思います。
働き方に関するギャップは一方の意見を押し通すだけでは改善することはできず、会社側の事情や見解も聞きつつも、自分の具体的な要求とすり合わせ、解決していく必要があるため、円滑な話し合い、コミュニケーションのためにも必要なものとなります。
また、これらのギャップが生じる原因として、自身の情報不足も考えられます。
仕事の魅力的な部分のみを見ていると、実際に業務に移り泥臭い面を知ったときに「こんな仕事だと思わなかった」と感じ、それがギャップへと繋がってしまうこともあります。例えば、自分のやりたい仕事をするにあたって、知識や経験を積む期間が必要だとするのであれば、「やりたい仕事が出来ない」と主張するのはお門違いということになります。
そのため、情報を収集しておくことは大前提ではあり、非常に重要な事と言えます。
どうしてもギャップの改善がみられない場合は、新しい環境を求めて転職を考えることも一つの手です。しかし、「気に入らなかったら辞めればいい」という考え方で転職を試みるようでは何度やっても、同じことを繰り返すだけで何の意味もありません。
自分の価値観やキャリアプランを見つめなおし、他の方法を試した上での選択肢の一つとして取り入れ、上手く活用すると良いでしょう。
まとめ
自分の理想の働き方と現実にギャップを感じた場合、それを解決するためには問題の明確化、上司や人事とのコミュニケーション、自己改善の努力、そして必要に応じた異動や転職の検討が必要です。自分にとって最適な解決策を見つけるために、冷静に状況を見極めて行動しましょう。