【しくじり宇宙開発】転げまわったNASA衛星「NOAA」皆さんの日々の生活に役立つ大事な教訓とは?
桜も満開となり、新年度の始まりを感じる季節となりました。これから新生活が始まる新入社員の皆さんに向けて、本記事では過去のしくじり宇宙開発をご紹介していきます!
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■みんな大好き、しくじり宇宙開発の金字塔「NOAA」
NOAAはNASAの気象衛星で、NOAAシリーズの最終号機です。2009年6月に打ち上げられ、2011年10月に打ち上げられる次世代気象衛星が駆動するまでの2年間アメリカの天気を見守っていました。
NOAAは5個以上の地球観測センサーを搭載し、非常に高解像度の天気図を地球に送り続けてくれました。しかし、ここまで来るのは決して順風満帆な開発の道のりでは全くなかったのです。
■クリーンルーム内で起きた「NOAAの大冒険」
こちらはNOAAが宇宙に打ちあがる前のクリーンルーム内での写真。非常に荘厳で神々しいお姿をしていらっしゃいますね。このときは2003年で、実は打ち上げの6年前には既に完成していました。この日は観測センサーをNOAAに取り付けるため、土台に乗せて移動させるはずでした。しかし、次の瞬間!!
「やっちまった!」誰もがそう叫んだことでしょう。そう、NOAAは移動した拍子に重力に負けて吹っ飛んで遊ばせられたんであります。ではなぜこのような惨劇が起こってしまったのか、詳しく解説していきましょう。
実は4日前、別の作業グループがNOAAを固定していたボルトを外して、さらに作業記録を残すのは忘れてしまっていたんです。そして事件当日、何も知らないおっちゃん達はNOAAの固定状態をろくに確認せず、「あらよっと」という感じでNOAAを動かそうとします。そして、このような悲劇が起こってしまったのです。NOAAが倒れるときのおっちゃん達の表情は想像を絶するにあたります。
このしくじりのせいで壊れてしまったNOAA、なんと修理費は150億円まで上りました。そしてロケットでの打ち上げは6年も遅れましたが、2009年に無事NOAAは宇宙に打ち上げられ役目を全うしたのです。
皆さんも大事な場面では必ず、「押さない、駆けない、急がない」これを徹底しましょう。新年度早々から出鼻をくじかれることのないよう、皆さんの門出を応援しています!
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