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週末は発達した低気圧による強い風や雨に注意

饒村曜気象予報士
暴風雨・台風(提供:イメージマート)

移動性高気圧

 日本付近は移動性高気圧に覆われ、雲が広がりやすかった北日本も晴れる所が多くなってきました。

 高気圧の縁辺をまわるように南から暖気が北上して気温が高くなり、3月25日(金)は関東から西の地域では最高気温が20度前後まで上がる見込みです。

 各地で春本番の暖かさとなりますが、積雪の多い地域ではなだれに注意が必要です。

 しかし、週末は移動性高気圧が日本の東海上に去ります(図1)。

図1 予想天気図(3月26日9時の予想)
図1 予想天気図(3月26日9時の予想)

 そして、低気圧が日本海を北東進し、オホーツク海で発達する見込みです。

 また、別の低気圧が西日本から東日本を通過し、引き続き暖気が入ります。

 このため、ほぼ全国的に雨となり、寒さが続いていた北海道も雪ではなく雨でしょう。

 「暖かい春がやってきました」と単純に言いたいところですが、これらの低気圧は嵐を呼ぶ低気圧です。

春の嵐

 春は、冬の寒気が残っているところに、暖気が入ってきますので低気圧が発達しやすく、時折、日本列島は強い風や雨に見舞われます。

 2月の「春一番」から5月の「メイストーム」まで、春は嵐の季節です。

 気象庁では、早期注意情報を発表し、5日先までに警報を発表する可能性を、「高」「中」の2段階で示しています(図2)。

図2 早期注意情報(3月26日:上は大雨警報の可能性、下は暴風警報の可能性)
図2 早期注意情報(3月26日:上は大雨警報の可能性、下は暴風警報の可能性)

 これによると、3月26日(土)は、鹿児島県と宮崎県で大雨警報を発表する可能性が「高」のほか、四国と九州に「中」の県があります。

 コンピュータの計算による3月26日の24時間降水量は、東海から西日本の太平洋側にかけて50ミリ以上の雨が降り、四国南部から九州南部では150ミリを超える所があります(図3)。

図3 3月26日の24時間降水量
図3 3月26日の24時間降水量

 また、東北から西日本にかけての広い範囲で、暴風警報を発表する可能性が「中」となっています。

 3月27(日)には、大雨警報、暴風警報ともに「高」や「中」の地方がありませんので、26日(土)だけの激しい現象といえそうです。

温かい雨

 週末は、2つの低気圧によって全国的な雨ですが、気温は平年より高く、ひところ(三連休明け)のような冷たい雨ではありません。

 東京の3月26日(土)の最高気温は19度と平年より高く、雨が上がった27日(日)には最高気温が23度まで上がる予報です(図4)。

 また、最低気温は3月26日(土)の最低気温の予報は11度と、ほんの3~4日前の最高気温を上回ります。

 2月末以降、気温の変動が大きくなっていますので、体調には十分注意してください。

図1の出典:気象庁ホームページ。

図2、図3の出典:ウェザーマップ提供。

図4の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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