【札幌市東区】通訳案内士日記/サッポロビール博物館で、国による文化の違いを感じてみる。
全国通訳案内士、つまりインバウンドゲスト対応のライセンスガイドである私。今日はその本業?で感じたことを少し書きます。
夏と冬は、私は北海道の自宅ベースでお仕事。(春と秋は、東京ベースでバスツアーでぐるぐる日本を回ります)
北海道は現在、夏のヴァカンスを過ごすゲストが世界中からきています。特にヨーロッパは今までのオーストラリアやアメリカに加えて激増している感覚があります。
今週担当したイタリアから来たゲストは、みなさんサッポロビール博物館でのテイスティングを強く希望されていたので、行ってきました。
その時、その前に担当したカルフォルニアからのお客様と面白い違いがあったので、書いてみます。
イタリアの方々は、元気。
今回は街中をぐるぐる歩きあちこち散歩した後、(最近どんぐりがとても人気なのでよく連れて行きます、今回も大喜びで日本独特の柔らかいパンを面白いと頬張っていました)札駅まで2kmほど歩いて、そこから苗穂駅、アリオを経由してビール博物館に行きます。
この夏担当したFIT(個人旅行)では、3回ともビール博物館に寄っています。(イタリア、カルフォルニア、イタリア)
やはりここの3種飲み比べセットは、みんな試してみたいようです。おそらく欧米豪のインバウンドが、札幌で現在一番行ってみたいところではないでしょうか?
まずは、サッポロビールの歴史など説明。
1890年に官営の製糖工場として建設された、現在のビール博物館であるこのレンガの建物は、1905年からは札幌麦酒(開拓使麦酒醸造所、札幌麦酒醸造所を経て1893年より札幌麦酒)の精麦所となりました。
その後、大日本麦酒、日本麦酒、サッポロビール)の時代も精麦所として活躍していました。
1966年に、精麦所が第2工場(後の第2製造所)になった時、この建物は開拓使麦酒記念館となり、それがビール博物館になったというわけです。
第2製造所自体は、2003年、恵庭の現工場(1993年に先に第1製造所(今のファクトリーの場所にあった)が移動していた)に統合されました。)
今回は有料のガイドツアーではありません。自分たちのペースで博物館見学の後、スターホールで試飲です!
博物館では、どでかいウォルトパン(煮沸釜)がお出迎え。1965年-2003年の期間、使用されていたものです。
その後歴史や代々のポスターがあります。
さ、階段を降りて、スターホールへ。
チケットは券売機で購入。幸い並ばないで買えました。
親切なスタッフさん達が手際よく3つのグラスを用意してくれます。この3種飲み比べは、1,000円!
早速、みなさん飲み比べです!
前回ここにきた時のカルフォルニアのゲストたちは、みんな黒ラベルがスムースで一番良いと言っていました。
一方、今回のイタリアからのゲストたちは、開拓使麦酒が一番美味しい!と言い次にクラシック。開拓使麦酒は、フルーツのようなアロマや複雑な味わいがとても印象的だということ。
黒ラベルは、ちょっとスムースすぎるなあと。原材料の違いを説明すると納得してくれました。コーンスターチと米が入っていることには好き嫌いがあるのでしょうかね。
そこから、イタリアのビール事情について色々教えてもらいましたが、やはりローカルなクラフトビアが一番人気、オーガニック認証ものや、最近は低温殺菌のものも人気だということです。未濾過のものも人気がある。
しばらく時間が経つと、一番右の開拓使麦酒だけ、色が違います。これは成分なのか、濾過が違うのか?またまた調べたいことが増えました。
私見ですが、アメリカのゲストは一般的に、飲食店チェーンが発達している環境に慣れているせいか、平均的に安定してスムースなものを好む傾向が強いと感じています。
一方、イタリアはおそらくフランスやUK同様、マイクロブルワリーが多いので、アロマや酸味など、個性のきちんとしたものを好む傾向があるようです、私のガイドした範囲では。
よく欧米豪インバウンドと言いますが、それぞれ全く好みが違います。
彼らイタリアの方は、ヨーロッパの中ではスペインやポルトガルには親近感がある一方、フランスは全く別、もっと北のUKに至っては別の星にいるようだと言います。またイタリア国内でも地域による食べ物の好みがまるで違うとのこと。
コーヒーやワイン、トマトソースの好みなども事細かく私に教えてくれながら、札幌の面白いフードを堪能してくれたと思います。
今後もこの試飲セットと、ビールを通しての北海道の歴史の話、そして彼らの文化との接点を探る試みを、続けて行きたいですね!
おまけ。
比較的ヨーロッパの方は、ビールと食事とを切り離して楽しむ人も多いと感じてます。今回はというわけでビール園は無しでしたが、前回のカルフォルニアのゲストたちはビール園も楽しみました。
BBQ! BBQ!と言って野菜を食べず、ひたすら枝豆・ビールと共に、肉だけジンギスカン鍋で焼きまくると、当然、通常は肉汁が落ちて野菜が美味しくなる溝のところが空になり、脂がばちばち。
咄嗟の思いつきで食べた大量の枝豆の殻を入れたら効果あり!でした。格好悪いけど!