日本国憲法の特色…政治・政策リテラシー講座27
日本国憲法は、「国民主権」、「基本的人権の尊重」および「平和主義」の3つの原理に基づいています。 その3つの原理について、考えていきましょう。
1.国民主権
「国民主権」とは、国民が国家の主権を有する者である主権者であるということです。なお、主権とは、他国の意思などに左右されずに、国家の意思や政治のあり方を最終的に決定する権利のことです。
2.基本的人権の尊重
「基本的人権の尊重」とは、人間として当然に有していて、国家といえども侵すことのできない永久の権利を尊重するということです。その基本的人権は、「平等権」、「自由権」、「社会権」、「請求権」および「参政権」の5つからなっています。
その5つの権利とは、次のとおりです。
「平等権」とは、差別されない権利のことです。
「自由権」とは、国家権力な干渉や介入なく、自由を確保できる権利のことです。「精神の自由」、「身体の自由」、「経済活動の自由」などが含まれます。
「社会権」とは、人間らしい最低限の生活ができるように国家に保障してもらう権利のことです。「生存権」、「教育を受ける権利」、「労働基本権(勤労の権利、団体権・団体交渉権・争議権の労働三権)」などが含まれます。
「請求権」とは、国民の権利が侵害されたような場合に、国などにその権利を請求し、救済を求める権利のことです。「国家賠償請求権」、「裁判を受ける権利」、「刑事補償請求権」、「請願権」などが含まれます。
「参政権」とは、国家権力の行使に参加する国民の権利の総称のことです。狭義としては、選挙権・被選挙権だけを指すこともありますが、通常は直接民主制的な諸権利(国民審査、特別法制定、憲法改正の国民投票)も含めています。
3.平和主義
日本国憲法における「平和主義」は、「戦争放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」から構成されており、さらに平和を実現するための積極的な行動をとるべきことを要求しています。他方、自衛隊の存在や集団的自衛権の問題のために、国内外において日本国憲法に関するさまざまな議論がなされています。