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時代遅れとなった「販売センター巡り」。郊外新築マンションに求められる新しい販売戦略

櫻井幸雄住宅評論家
かつて、マイホームを買うとき、多くの家族は販売センターを巡り歩いたものだが……。(写真:イメージマート)

 マイホームは、一生で最も大きく、高額な買い物。だから、じっくり、各側面から検討して、後悔のない物件を選ぶべき……昭和時代から、ずっと言われ続けてきた言葉だ。

 その結果、新築住宅を選ぶときは、複数の販売センターを巡るのが当たり前に。1物件見ただけで即断するなどもってのほか。3物件、5物件は当たり前。10物件くらい見なければいけない、とされたこともある。

 しかし、今、新築マンションを買う人の「販売センター巡り」は極端に少なくなっている。5物件見る人は少なく、見学は2つか3つ……実際には1つめの物件で購入を決意しているのだが、念のため「買わない」と決めている物件も「一応、見ておこう」という姿勢も目立つ。

 販売センター巡りをする人が減った理由は「販売センターに行かないと、わからない」時代から、インターネットサイトやネット情報で十分研究できる時代となったことが大きいだろう。

 また、都心マンションを購入する層はすでに複数のマンションを所有しているケースが多く、購入慣れしている。「他と見比べる必要がない」ので、販売センター巡りをしない、という側面もある。

 しかし、それだけでなく、現在のマンション市況が特殊な状況にあることも理由として挙げるべきだろう。

 「現在の特殊な状況」とは、じつは昭和から平成にかけての「バブル期」に起きた状況と似ているものだ。「特殊な状況」を解説し、今求められているマンションの売り方を模索したい。

もはや知る人が減った、平成バブル期の特殊状況とは

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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