【姫路市】思い出の服が返り咲き。気軽にかぶれる「チューリップハット」には、それぞれのドラマが
春だ! 桜だ! チューリップだ! 「チューリップハットは気軽なもんです」をキャッチフレーズにチューリップ型の帽子を作製している、なかいふうこさん。「かBUる屋」を営み、多くの人の頭に思い思いの花を咲かせています。
帽子にも巾着にもなる、優れもの
姫路市忍町のourhour(あわあわ)内のアトリエに入ると、色とりどりのチューリップが並べてありました。お花畑みたい。
縁にワイヤーが入っていたり、裾が広がっていたり、形が多少異なるのもあるけれど似通っているものでも色合いによって、まったく別物に見える。
紐を通してあるタイプは巾着にもなるのです。買い物途中に荷物が増えると帽子を脱いで巾着へ、日差しが急に強くなれば巾着の中の物をポケットにしまって帽子に、とか。華麗なる2WAY!
なかいさんが帽子に特化したきっかけ。それは服飾系の短期大学でのファッションショーで、衣装に合わせてシルクハットを作ったこと。「服は縫うところがたくさん。動きも計算しないといけない。帽子となると楽ちん!」だったから。
本を読んで勉強。ハンチングやキャスケットといった種類の中で、チューリップにしたのは二等辺三角形の生地を表裏6枚ずつ縫いあわせると出来上がるため。「色の組み合わせやデザインまで考える余裕ができる」のが決め手に。
10年前から少しずつ手がけ、4年前に本格始動し徐々にペースアップ、昨冬から現在のアトリエに移り、さらにギアチェンジしています。
感涙、のち晴れ。返り咲きチューリップ
アトリエでは、なかいさんがセレクトした生地で仕上げた帽子が選べます。通常は要予約、イベント時は予約なしで可。
主流は「返り咲きチューリップ」と呼ばれるオーダー。例えば、サイズアウトした子ども服が、亡き祖父母が愛用していた一着が、よみがえるのです。
「完成した作品はできるだけ直接渡している」となかいさん。その瞬間を動画で見せてもらいました。子どもの服がチューリップとなり、それを手にした母親は思いが込み上げてきて涙、その後に笑顔。なかいさんも同じ状態。千姫も心が揺さぶられました。
取材日は、手のひらサイズ「ちびすけチューリップ」の最終チェックを。
中学校のバレーボール部卒業生への贈り物。中にベルが付いています。背番号入りで記念になるわ。
「ちびすけ」はキーホルダにしてもストラップにしても。ヘアピンもあります。
余った生地はシール「ぺたチュー」に。
チューリップよ、頭に心に、いろんな場所で咲き誇れ~。
かBUる屋
兵庫県姫路市忍町24のシェアキッチンourhour2F
※入店は要予約、イベント時は予約なしで可
※問い合わせや予約、オーダーはインスタグラムのDMから
駐車場:なし
●イベント
「ourhour」2F
3月16日(土)9:00~12:00「旧市のきさき朝市」(毎月第3土曜)
3月20日(水・祝)11:00~16:00「旧市ビルヂング」
●POPUP
「ETHOS 姫路店」(兵庫県姫路市北条梅原町1300-1)
4月6日(土)10:00~15:00