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【速報】ついに公開!『スターウォーズ フォースの覚醒』ってどんな映画?

渥美志保映画ライター

六本木は公開時間の18時30分より前、真昼間からジェダイやらチューバッカやらC3POで溢れていましたが、そんな中で一足早く見てきた『スターウォーズ フォースの覚醒』をレポートいたします!【ちょいネタバレ】ですので、ネタバレしたくない方は映画を見てから読んで下さいませー。

まずは今回の物語のベースとなる時代から、ご説明しましょう。

30年前のデス・スターを巡る戦いで帝国のダース・シディアスとダース・ベイダーが死に、巻き返したレジスタンスにより共和国は復活。この30年は、表向きは平和共存してきた両国ですが、共和国は帝国の支配地域でのレジスタンスを密かに支援しています。そこに「ある大事件」が発生し、最後のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーが姿を消してしまうのです。『フォースの覚醒』のポスターにルークだけがいなかったのは、こういう理由だったんですね。物語の焦点は「ルーク探し」。共和国は帝国で台頭する新勢力「ファースト・オーダー」を抑えるために、「ファースト・オーダー」はルークを亡き者にするために、それぞれルークの行方を追っています。

さて最初の舞台は砂の惑星ジャクー。ルークの足跡を辿る「スカイウォーカーの地図」をようやく手に入れた共和国一のパイロット、「ポー・ダメロン」(オスカー・アイザック)ですが、「ファースト・オーダー」の「カイロ・レン」(アダム・ドライバー)に追われ、地図をドロイド「BB-8」(予告編でもコロコロまわってるあの子ですね)に託して密かに逃がします。これを運命的に助けるのが、この三部作のヒロインの「レイ」(デイジー・リドリー)です。このあたり【EP4・新たなる希望】でデス・スターの設計図持ったR2-D2をルークが見つける展開とすごくよく似ていますね。

一方囚われファースト・オーダーの「スターキラー基地」に連れていかれたポーは、人殺しが嫌で逃げようとしていたヘタレのストーム・トルーパー「フィン」(ジョン・ボイエガ)の協力を得て脱出。再びジャクーへ戻りますが、その際に撃墜されてふたりは離れ離れになってしまいます。

フィンはポーを捜すうちレイとBB-8に出会い、ひとまとめに帝国軍に追われることに。一行は、もう何年もジャクーの廃品処理場に放置されていたガラクタ宇宙船「ミレニアム・ファルコン号」に一か八か飛び乗って、大空中戦を繰り広げた末に宇宙空間へと逃走。レイとフィンはBB-8をレジスタンスの本拠地まで届けることにしますが、その途中で、よくわかんない宇宙船に拿捕されてしまいます。これがなんと、「ある大事件」をきっかけにレジスタンスを去り、またしても借金まみれの運び屋に戻ったハン・ソロwithチューバッカ。ソロは逡巡しながらもこの二人を助けることにし、命からがらのトラブルを潜り抜けてレジスタンスに合流。レイアとの久々の再会を果たし――というところで、【新・新三部作】のメンバーがようやく揃い、ファースト・オーダーと闘うことになります。

●【見どころ1】レイ&フィン&BB-8の面白可愛い逃走劇

なんといってもデイジー・リドリー演じるヒロイン、レイがすごく魅力的です。彼女の中には、助けようとする男の手を払いのけ、さらに「私が助ける」という感じの強さと、一人ぼっちで生きることの寂しさが同居しています。すごくたくさん涙を流すヒロインですが、その目は決して力を失うことがないのもすごくいい。初めて持つライトセーバーでの戦いや、戦闘機での空中戦など「スカイウォーカー」の血だわ……と思わせるアクションもたっぷり見せてくれます。現代女性にはすごく共感しやすいキャラクターです。

そして何か分かってるのか、彼女になつくBB-8がこれまたものすご~くかわいい。怖がったり、おどけたり、しゅんとしたり、キレたり、親指立てる!みたいなこともできる表情の豊かさで、今回は登場が少ないR2-D2のお株を完全に奪ってしまっています。前半は彼女とフィンとBB-8の逃走劇がテンポがよくてすごく楽しいのですが、気のいいテキトー男であるフィンとBB-8のやりとりは、どこかC3POとR2-D2のやり取りに似た感じ。我が家にも一台欲しいわあ。

●【見どころ2】ヒロインのレイに隠された過去の謎

一行はレジスタンスと合流するために「マズ・カナタ」(ルピタ・ニョンゴ)というキャラクターに協力を仰ぎます。この人、おばあちゃんっぽいパペットなのですが、宇宙の表も裏も知る賢者で、旧作のヨーダみたいな感じ。この人の住むマズ・キャッスルの地下に、ルークのライトセーバーが封印されています。これを触った途端に、レイは奇妙な幻覚に襲われます。どうやら彼女は幼い頃に家族と引き離された経験があるようです。彼女はどこに行っても、必ず「ジャクーに帰る」というのですが、それは自分を置き去りにした家族が、その星に帰ってくると信じているから。でもマズ・カナタは、「もう帰ってこないと知っているでしょう。でも帰ってくる人もいる」と、ルークのライトセーバーを渡すんですね。実は『フォースの覚醒』では彼女の素性は明かされないのですが、ルークの関係者なのかなあ。私はソロとレイアの娘と踏んでいるのですが。それにしても彼女が家族から引き離されなければいけなかった理由は何なのか、それはもしかしたら「ある大事件」のせいかもしれません。

●【見どころ3】カイロ・レンで繰り返される「家族の神話」

その「大事件」とは、ルークが姿を隠すきっかけになった事件です。ルークが修業させていた少年が、ダークサイドに堕ちてしまったんですね。これがこの作品のダーク・ヒーロー「カイロ・レン」。この人、やはりハン・ソロとレイア姫(ていうか、今やレジスタンスの将軍)の息子でした。『スターウォーズ』が「家族の物語」だとすればそれは、【旧三部作】がダース・ベイダーとルークという父子の、【新三部作】がオビ=ワンとアナキンという疑似父子の物語であるからにほかなりませんが、『フォースの覚醒』から始まる【新・新三部作】はそのふたつ――ソロとカイロ・レンの実父子、ルークとカイロ・レンという疑似父子――を盛り込んだ物語と言えそうです。

そしてもしレイがカイロ・レンの妹だとしたら。カイロ・レンがダークサイドに堕ちてしまったがゆえに、同じ血を持つ妹のフォースが覚醒しないよう隔離されたのかもしれません。でも『フォースの覚醒』ではカイロ・レンその人が、レイのフォースの覚醒を手助けしてしまいます。ここに兄妹の、新たな家族の葛藤が生まれるんじゃないか……なんて想像しました。

●見どころ4――コネタ山盛り

ハン・ソロが「イヤな予感がする」という場面に「おおおお!」と言ってしまいました。これシリーズで本当に何度も出てくるお約束のセリフ。『新たなる希望』で逃げ込んでひどい目に遭った「ダストシュート」ネタもソロの口から出てきて、嬉しくなりました。【新・新三部作】は30年とはいえ旧三部作の【EP6】の後の話ですから、出てくるマシンなどはそっちに近いんですね。ポーダメロンが乗っていたのは旧シリーズのXウィングだし、スターキラー基地からの脱出は帝国軍のタイ・ファイターだし、エイリアンたちも、ああ、確かにこの「鯉」みたいな顔の人、レジスタンスの結構エラい人にいたな、みたいなことがたくさんあるので、【旧三部作】を知っている人のほうが楽しめるかもしれません。レイが住居にしているのも――私の見間違いでなければ――「AT-AT」という4足歩行巨大ロボットの残骸だったと思います。ミレニアム・ファルコン号が、さらにさらにおんぼろに、めっちゃめちゃ汚れてるのも、まさに「銀河最速のガラクタ」!って嬉しくなりますよー。

●見どころ5――J.J.エイブラムスのオリジナリティ

そういう旧作のエッセンスをすごーく大事にしながらも、オリジナリティもたっぷりなのがJ.J.エイブラムスのすごいところ。クリーチャーやパペットの造形は、もう明らかにジョージ・ルーカスと違います。なんていうか、J.J.エイブラムスの作るものって、面白い上に、上手いっていうか、ちょっとすっきりと垢抜けてるんですね。どうしても宇宙の話なので映像が似てきちゃうところがあるんですが、それでも「ミレニアム・ファルコン号がこんな場所を飛んでるのを初めて見た」という場面もたくさんあります。さらに言えば脚本が上手いんですね。余計なセリフやいかにもな説明台詞が全然なく、すごーくシャープです。ある大変な戦いを終えて帰ってきたレイを、すべての事情を呑み込んだレイア姫が何も言わずに抱きしめる場面など、何も言わないからこそふたりの悲しみや辛さが伝わってきます。全体的に無難にまとめたかな、という感じはなきにしもあらずなんですが、世界中にうるさ型のファンが山ほどいるこのシリーズを、これだけそつなく完成させたのはすごいこと。アメリカでの評判も上々ですから、2本目では思う存分やってくれるのではないかなと思います。

ということで【ややネタバレ】最速レポですが、もちろんここには書いていないすっごいことが起こってしまっています!是非とも劇場で見て下さいね~!

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映画ライター

TVドラマ脚本家を経てライターへ。映画、ドラマ、書籍を中心にカルチャー、社会全般のインタビュー、ライティング、コラムなどを手がける。mi-molle、ELLE Japon、Ginger、コスモポリタン日本版、現代ビジネス、デイリー新潮、女性の広場など、紙媒体、web媒体に幅広く執筆。特に韓国の映画、ドラマに多く取材し、釜山国際映画祭には20年以上足を運ぶ。韓国ドラマのポッドキャスト『ハマる韓ドラ』、著書に『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』。お仕事の依頼は、フェイスブックまでご連絡下さい。

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