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帰省時に確認したい!実家の防災・防犯チェックリスト10

矢野きくの家事アドバイザー/節約アドバイザー/防災士/食育指導士
帰省時に実家の危険を確認(提供:イメージマート)

今年の年末年始休みは曜日の並びがよく、長いと9連休という人もいます。お正月ということもあり、この休み中に実家に帰省するという人も多いのではないでしょうか。
日頃は高齢の親だけが住んでいる実家の場合、生活の中に意外と多くの危険が潜んでいます。

高齢になると体を動かすことが億劫になり、「やらなくては…」と思っていることも見送ってしまうこともあります。また高齢者は、突然の災害や事故に対する反応が遅れることもあるので、予め備えておくことが大切です。

さらに最近では高齢者を狙った強盗や空き巣などをニュースで見聞きすることも増えています。昔の常識とは違ってきていることを知っておかなければなりません。

今回は高齢の親だけの実家に帰省する際に確認しておきたい、防災・防犯のチェックリストをご紹介します。

1・倒れてくる家具・高い位置から落ちる重たいものはないか

昔ながらの家の場合、たんすが置いてあるお宅も多いでしょう。たんすや本棚などが固定されているかの確認が必要です。とくに家の中で長く過ごしている寝室やリビングなどは気をつけたい場所。寝室でたんすが倒れてくる位置に寝ているという高齢の方は少なくありません。高い位置に人形を置いている家も多いでしょう。

また見逃しがちですが、地震のときに大きく揺れる薄型テレビなどがあると、揺れていることに目が行ってそれを抑えることに必死になり、身を守ることが意識外になってしまう場合があります。大きく揺れるものは固定し、自分の身を守ることを優先してもらえるような環境にしておきましょう。

2・避難経路に物を置いていないか

廊下や玄関に物が置いてある実家は珍しいものではありません。避難経路が確保されていないと、火災や地震などの災害発生時に迅速に避難できないという危険があります。特に高齢の方の場合は動きが遅くなるので、障害となる物がない広い経路にしておくことが重要です。

3・備蓄食・備蓄水は1週間分あるか

災害時、高齢の方はとくに食料や水があることがその後の健康に影響します。従来は備蓄は3日分と言われていましが、今は「1週間分の備蓄を」と言われています。実際に過去の大きな災害を見ても3日で全地域に食料や水が行き渡ってはいません。心配材料を減らす意味でも食料と水は1週間分備蓄しておきましょう。もちろん、それ以外の防災グッズもチェックしてください。

4・停電時にろうそく以外の灯りとなるものがあるか

大きな地震以外でも台風などで発生しやすいのが停電です。そして高齢者のお宅では、停電と言えばろうそくという方が多いのが実情です。しかし、ろうそくが原因で火災という二次災害が起きたり、やけどする例も多くあります。高齢の方の場合はとくに懐中電灯など火を使わないものを用意したいところです。できれば扇風機や電気毛布程度に対応できるポータブルバッテリーを用意しておけば安心です。

置いて使えるランタン型の灯りがあるといい(筆者撮影)
置いて使えるランタン型の灯りがあるといい(筆者撮影)

5・薬は多めにあるか

毎日、薬を服用しているという高齢の方は多くいます。大きな災害の場合、すぐに薬が手に入るとは限りません。医師に相談して薬に余裕があるうちに次をもらいに行くサイクルにしておいたほうがいいでしょう。

6・火災報知器・ガス漏れ警報器は正常に動作しているか

高齢の方は火災やガス漏れの兆候に気づきにくいことがありますが、警報器が正常に動作していれば、早いタイミングで異常を察知して避難行動をとることが可能です。設置はしたきりで電池が切れてしまっている場合も多いので、1年に1回は確認してあげましょう。

7・電気製品とコード類の点検

電気製品やコンセント周りのチェックも必要です。あまりにも古い家電を使っていたり、コードを家具が踏んだりした状態のものなどは、火災の原因にもなりかねません。またコンセントにホコリが溜まっているとトラッキング火災が発生することもあります。

電源ケーブルやコンセントの状態をチェックする
電源ケーブルやコンセントの状態をチェックする提供:イメージマート

8・鍵はしっかり閉めているか・簡単に侵入される場所はないか

昔ながらの習慣で玄関の鍵が開けっ放しだったり、窓を開け放して寝てしまうという高齢の方も多くいます。犯罪内容も今は昔とは違うということを認識してもらい、しっかりと鍵をかける習慣をつけてもらいましょう。防犯カメラや人感センサー付きの照明を設置しておくとより安心です。

9・近隣避難所やハザードマップの確認

実家周りに起こりうる危険は何かハザードマップを確認し、高齢の方にも認識してもらうことが必要です。また近隣での避難所はどこになるのかもすぐに分かるように、部屋の中に貼っておくなどすると良いでしょう。

10・もしものときの情報の確認

突然、他界されたときのことも確認しておく必要があります。預貯金、保険、契約しているもの、連絡をしてほしい人などの情報も確認しておきたいものです。正月から縁起でもないことではありますが、年に一度しか帰省しないのであれば、言葉に気をつけながら、このタイミングで確認しておいたほうがいいでしょう。

日々の暮らしに慣れてしまうと、そこに潜む危険には意外と気付かないものです。ぜひ実家に帰省した際に、今回ご紹介したような内容をチェックして安全に暮らしてもらえるようにしたいですね。

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家事アドバイザー/節約アドバイザー/防災士/食育指導士

家事の効率化、家庭でできるSDGsを中心に、テレビ、講演、コラム連載などで活動。働く人向けの時短家事術、シニア層への家事改革などをアドバイス。「防災士」の資格を持ち家庭での備え、「食育指導士」の資格も持ち、食品ロス削減をテーマにした講演も定評がある。100円ショップや業務用スーパーでのお得な買い物術の紹介や、便利グッズの開発にも携わる。【テレビ出演】NHKごごナマ(準レギュラー)・日本テレビミヤネ屋・TBSテレビはなまるマーケット・フジテレビ笑っていいとも他。【連載実績】HONDA・東芝・イオン等企業のオウンドメディアや、日経新聞・時事通信 他。【著書】シンプルライフの節約リスト(講談社)他。

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