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iPhone Xに1週間触れて気づいた、4つの新機能

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
11月3日に発売されるiPhone Xを1週間試しました(筆者撮影)

9月12日にiPhone 8シリーズとともに発表された、これからの10年を担うスマートフォン、「iPhone X」。10月27日に予約が開始され、いよいよ11月3日に人々の手に届きます。

個人的に、iPhone Xは、初代iPhoneに触れた2007年以来の感動を覚えました。確かにiPhoneは、現在のスマートフォンの姿を定義しましたが、その進化は淡々とした時期もあったと思います。

iPhone X シルバーモデル。
iPhone X シルバーモデル。

しかし10年の節目にAppleが提案したiPhone Xは、Appleが次の10年を作っていくための飛躍を担うにふさわしい1台に仕上がった、と思いました。

AppleよりiPhone Xの実機の貸し出しを受け、発売に先立って1週間使用することができました。1週間の間のレビューで特に魅力を感じた4点をご紹介しておきます。

意外とコンパクトなサイズに収まっているiPhone X
意外とコンパクトなサイズに収まっているiPhone X

iPhone史上最大サイズの5.8インチSuper Retinaディスプレイ

しかしながら本体のサイズは、従来の4.7インチiPhone 6/6s/7/8より一回り大きいだけでした。

iPhone Xのディスプレイは、四辺ともに縁のギリギリまで拡がっています。そのため、iPhone 8に純正ケースを装着したようなサイズにもかかわらず、iPhone 8 Plusよりも大きな5.8インチの画面を実現しました。

Super Retinaディスプレイは、iPhoneで初めて有機ELパネルを採用しました。一般にこの技術は、バックライトが不要となり、薄型化、折曲げなどの形状の自由度、省電力性、黒の再現力の高さなどが特徴です。

5.5インチディスプレイのiPhone 8 Plus(右)と5.8インチのiPhone X(左)。デバイスのサイズと、壁紙の黒い部分の再現に注目。
5.5インチディスプレイのiPhone 8 Plus(右)と5.8インチのiPhone X(左)。デバイスのサイズと、壁紙の黒い部分の再現に注目。

iPhone Xのディスプレイは、カラーの発色もさることながら、モノクロの写真を表示させると、黒が、きちんと黒に見えるのです。

黒が黒い、というのは当たり前のように思われるかもしれませんが、従来の液晶ディスプレイでは、バックライトの強さによっては、若干グレーが混じったようにも見えていたのです。

iPhone Xを手に入れたら、真っ先にモノクロ写真を撮ってみて下さい。

ホームボタンがないiPhone Xの操作方法は大きく変わります。
ホームボタンがないiPhone Xの操作方法は大きく変わります。

10年来のホームボタンを前提としない操作に慣れるには30分?

全面をディスプレイとしたiPhone Xからは、iPhoneが10年来採用してきたホームボタンがなくなりました。

Appleも正面にある唯一の物理ボタンに頼り切っていた節があり、片手では収まらないほどの機能が割り当てられていました。そのボタンがなくなったわけです。

では、どのようにホームボタンの役割を他の方法に移したのか、代表的な機能の変化を見ていきましょう。

「ホーム画面に戻る

ホームボタンを押す → 画面下端を上にフリック

「アプリ切り替え画面を表示」

ホームボタンを二度押し → 画面下端から上にフリックする途中で止める

「スクリーンショット」

ホームボタンとサイドボタンの同時押し → サイドボタンとボリュームボタン上の同時押し

「簡易アクセス」(※画面上部に届きやすくする)

ホームボタンを押し込まず二度タップ → 画面下端を下にフリック

「Siriを呼び出す」

ホームボタン長押し → サイドボタン長押し

「Touch ID(指紋認証)」

ホームボタンに触れる → Face ID(顔認証)に変更され、iPhoneを注視してロック解除

「Apple Pay」

ロック画面でホームボタンを二度押し → いつでもサイドボタンを二度押し

かなり大きく操作方法が変わっていることが分かります。私も使い始めた当初は、ホームボタンがあったあたりを強く押し込むなど、10年来の身についていた所作を振り払うのに30分かかりました。

これを長いと取るか、短いと取るかは、実際に試してみてのご判断にお任せします。

iPhone Xを見るだけでロック解除ができるFace ID。
iPhone Xを見るだけでロック解除ができるFace ID。

顔認証のFace IDはメイクやアクセに強いがマスクに弱い

ホームボタンがなくなりTouch IDの代わりに採用されたFace ID。指紋認証よりも、さらに未来的になったという印象を受けました。

顔を立体的に検知し、赤外線イメージまで記録し、数学的モデルを作り出して照合する。まるでSFの世界のようなです。ただiPhoneのロックを解除するために、こんな大それたテクノロジーを1日に何度も使うのか、なんだかごめんなさい、という気持ちになります。

Face IDの登録作業は、iPhoneの前で首を大きく回す運動を4回するだけ。あとは、iPhoneを見ればロックが解除されます。

ちなみに目をつむっていてはダメです。寝ている人のiPhone Xのロックを解除しようとしてもできません。指紋認証より、セキュリティが高まりますね。

Face IDは、人の顔を連続的に学習してくれます。メイクをしても、眼鏡やサングラスをかけても、帽子で眉毛が隠れても、きちんとロック解除します。

しかし、口元を隠すとロック解除はできません。日本人の国民的アイテムとなっている冬から春先にかけてのマスクは、iPhone Xとは相性が悪い、というわけです。

高いセキュリティを取るか、インフルエンザや花粉を体内に取り込むか、この冬から早速、難しい選択を迫られそうです。

いかがだったでしょうか。11月3日に届く方、まだ予約するか決めかねている方の参考になれば幸いです。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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