TwitterのRTの仕様、コロコロ変わった理由は……「デマとの戦い」
Twitterのリツイート(RT)の仕様が12月17日朝に“元に戻り”ました。
RTボタンを押すと、「RT」「引用RT」の選択肢が出て、「RT」を選ぶと、すぐにリツイートされるようになりました。
10月下旬から昨日までは、リツイートボタンを押すとまず、コメント付きでリツイートする「引用リツイート」の画面が表示され、コメント欄が開いていました。
ここでコメントを入力せずにリツイートボタンを押せば、コメントなしでリツイートできますが、余計な手間がかかるのと、「原則、コメント付きRT必須」にも見えることから、ユーザーからは賛否両論が出ていました。
その仕様は永続することなく、今回、元の「RT押したらすぐRT」に戻ったのです。
この2か月でコロコロ変わった理由は?
結果的に、TwitterのRTの仕様が「コメント付きがデフォルト」になったのは、2か月間の期間限定でした。
この2か月で仕様がコロコロ変わった背景には、11月3日に投開票が行われた、米国の大統領選挙がありました。
米国の選挙戦では、インターネット・SNSの役割が年々大きくなっています。
TwitterなどSNSでは、候補者に関するさまざまな情報や憶測が流れ、明らかな嘘、フェイクニュースが拡散されることもあります。
Twitterは、大統領選に関連するフェイクニュースの拡散を防ぐため「期間限定」で、リツイートの仕様を変更し、引用リツイートをデフォルトにていたのです。
リツイートの操作をワンステップ増やすことで、反射的なリツイートを防ぎ、情報が確かなものかを一呼吸置いて考えてもらうことが狙いでした。
この時、大統領選の”戦場”である米国だけでなく、日本を含む世界中で、一気に仕様変更したのです。
(ちなみに、リンク入りのツイートで、リンクをクリックせずにRTしようとすると「まず記事を読んでみませんか?」と表示される仕様は、続いています)
仕様変更の効果は……
しかしTwitterは17日、「引用RTの推奨によって、より思慮深い拡散を促すつもりだったが、それは起きなかった」とコメント。
引用RTの使用は増えましたが、45%は賛意を示す単語だけ書かれており、70%は25文字未満だったそうです。
また、RTと引用RTによる共有は、合わせて20%減ったそうです。
これらの結果を考慮して、RTの仕様を元に戻した、とTwitter社は説明しています。
Twitter社が言論を”操作”する?
情報がすぐに拡散するTwitterは、社会運動などの起点になる一方で、デマの温床にもなっており、Twitter社にも批判が集まっています。
Twitter社は、問題のある情報をコントロールしようと、ルールやシステムを調整してており、デマと判断した情報を見えづらくしたり、発信元のアカウントを凍結するといった努力も続けています。
ただ、そういった対応も完璧ではなく、「デマが放置されている」との批判や、逆に「自由な言論の妨害だ」という見方、「削除の判断基準がおかしい」といった批判もあります。
Twitter社はこれからも、難しい判断や調整を続けていくことになりそうです。