博多ラーメンの起源とされる源流のお店の一つ〈元祖の味を今もなお福岡の繁華街・大名の本店で味わえる〉
福岡で「元祖」と言えば長浜ラーメンの元祖「元祖長浜屋」がとても有名。だけど福岡にはもう一つ、店名に「元祖」の付く有名なラーメン店がある。それが福岡県福岡市中央区大名の〈元祖赤のれん節ちゃんラーメン〉で、同東区馬出の「博龍軒」や、同博多区祇園の「三馬路(現在の「うま馬」)」と並び「博多ラーメンの源流のお店」としても知られている有名なお店の一つ。1946年(昭和21年)の終戦まもない時期に創業した78年の歴史を誇る福岡を代表する老舗の豚骨ラーメン店だ。
現在の福岡市中央区の繁華街・天神に隣接する「大名」に移転する前(2013年以前)は、天神の国体道路を挟んだ「博多大丸」の斜向かい(福岡市中央区渡辺通)に店舗を構えていて、地元民の憩いの場として機能していたお店だった。当時は現在のような観光客が訪れるようなお店ではなく、どちらかと言えば、ご近所の常連さんや天神地区に勤めるビジネスマンが集う「町中華」的な雰囲気のあるお店だったと記憶している。
もちろん自身も含め、ラーメンを目指して訪れる方も多くいたけれど、それと同等くらいに「定食類」や「一品料理」を注文される方も多く存在していた印象が強く残っている。さらにテーブル席ではまだ開店間もない明るい時間から普通にお酒を飲んで食べてワイワイ賑やかにやっているお客さんがいたり、近くに勤める忙しそうなビジネスマンがカウンター席で黙々と定食を食べている姿など、雑多な人間模様が見られる人情味あふれる温かな空間だった。
現在は観光客を中心に行列もできる人気店に
2013年頃に、福岡市中央区「大名」の地に移転した〈元祖赤のれん節ちゃんラーメン〉。現在は、特にお昼のピーク時は、国内外の観光客や出張の方々が訪れる人気のお店に。今や、50席ほどある店内の席が満席になった上、さらに行列もできるような有名なお店になっている。但し、昔のようにお昼から腰を据えて飲む方は少なくなっていて、お店の回転はかなりいいように思う。
特徴的な醤油感強めな豚骨スープと平打ち麺
じっくりと時間をかけて炊き上げられた豚骨のスープは意外なほどあっさりしながらも、その分キレのある醤油のタレが強く感じられる。さらに脂もしっかりなので、全体としては、輪郭のはっきりとしたコッテリ懐かしい豚骨のスープに仕上がっている。
合わせる麺は、昔ながらの柔らかさがあり、小麦も感じられる平打ちの細ストレート麺。醤油タレの強めなスープがよく絡み相性も抜群。具材の構成はネギとチャーシュー、細メンマというシンプルで素朴な組み合わせ。歴史ある「元祖赤のれん」の味を受け継ぎ、守りながらも、決して古さを感じさせない一杯。今でもその人気を誇るのも頷ける美味しさがある。
人気は終日での注文が可能な「ラーメン定食」
終日注文ができる、名物の「ラーメン定食」は、並ラーメン・ギョーザ3個・半炒飯が付くお得で人気のセット。さらに、平日の15時までの限定になる人気のセットメニュー「Aランチ」は、並ラーメン&半炒飯のセット(お昼時はこれを注文される方が多い)。「Bランチ」は、ラーメンライスにギョーザ3個が付くセット。
久しぶりの訪問は「ワンタンメン」を注文
この日は、天神での用事を済ませた後、久しぶりに訪問。開店したばかりの時間だったにもかかわらず、すでに店内は満席寸前。一巡目の最後尾だったようで、お一人様専用のカウンター席は空いておらず、真ん中に仕切りのある大きなテーブル席の端に案内され行列に並ばずに座ることができた。
今回の注文は「ワンタンメン」にしてみた。一巡目の最後だったことと、元々時間の掛かる「ワンタンメン」だったこともあり、いつもより時間を要して遅めに配膳された一杯は、トゥルンとした食感の大きめの皮に包まれた肉感のある飴が入って食べ応えのあるワンタンがゴロゴロと丼碗の中に隠れている逸品。
そこに「赤のれん」と言えばの「平打ちの細ストレート麺」が、甘めの醤油タレに脂感強めな昔懐しい豚骨のスープにピタッとハマり、とても美味しい一杯で、あっという間に完食した。
福岡市中央区天神エリアへお立ち寄りの際は「博多ラーメン」の源流の一つと言われる味を、ぜひ〈元祖赤のれん節ちゃんラーメン〉でご堪能ください。また、通しでの営業なので、行列に並ぶのが苦手な方は、夕方の時間帯が空いている可能性が高いのでおすすめです。
元祖赤のれん節ちゃんラーメン天神本店
住所 :福岡県福岡市中央区大名2丁目6-4
[地図]
営業時間:11時00分〜21時00分
定休日 :火曜日(変更あり)※要確認
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり