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初場所の幕開けと共に新年がスタート 照ノ富士とその背中を追う力士たち

飯塚さきスポーツライター/相撲ライター
写真:日刊スポーツ/アフロ

親方衆のトークショーが話題

晴天に恵まれた1月9日、大相撲初場所がスタートした。満員御礼の初日。国技館は、多くの人で活気づいていた。オミクロン株の拡大もあり、引き続き徹底した感染対策がなされているものの、入場時間が8時半に戻るなど、部分的な規制の緩和も見られる。

今場所からは、2年ぶりに館内の相撲博物館が開館。それに伴い、15日間日替わりで親方衆のトークショーが開催される(観覧募集はすでに終了)。初日の担当は、30日に断髪式を控える元関脇・栃煌山の清見潟親方。同部屋の岩友親方(元幕内・木村山)をコーディネーターに迎え、同部屋ならではの和気あいあいとした雰囲気でトークショーが進行した。

相撲博物館で行われたトークショーの様子(写真:筆者撮影)
相撲博物館で行われたトークショーの様子(写真:筆者撮影)

たっぷり約1時間、現役時代の思い出を語った清見潟親方。最後の「ズバリ相撲とは?」の質問には、「我慢ですかね」と答えた。観覧に訪れたお客さんも、親方のまじめで誠実な人柄を肌で感じたことだろう。

初場所の展望 照ノ富士を追う力士たち

さて、ここからは土俵に目を向けてみよう。

優勝争いの中心となるのは、もちろん横綱の照ノ富士だ。初日は、突き押しの大栄翔に大いに相撲を取らせた末に白星を挙げ、あらためてその強さを見せつけた。2日目は、素早い動きで善戦する若隆景を相手に、その攻めをものともせずに小手投げで下し、2連勝。6年連続で初優勝力士が優勝している初場所だが、照ノ富士がその記録を「6」で終わらせることが予想される。

では、それを阻むのは誰か。大関・正代は白星発進で2連勝。同じく大関の貴景勝は、初日に快勝したものの、2日目は明生に敗れてしまった。照ノ富士の背中を追い、「次は自分が」という気概があるだけに、序盤の負けは痛いが、今日から立て直せるか。

さらには、今年こそ大関の地位を狙う御嶽海。二日間とも、目の覚めるような非常に力強い相撲を見せている。上位陣が活躍し、場所を盛り上げてくれるだろうか。

また、先場所の優勝争いに絡み、調子を上げ続けてきている阿炎は、今場所も注目株。下半身の力がついてきたのか、突きの鋭さが増しているように見受けられる。今回も思い切り暴れてほしいし、また横綱戦が見られることにも期待したい。

初日は満員御礼となった国技館。千秋楽もすでにチケットは完売だ(その他の日程はセブン-イレブン店舗にてチケット購入可能)。“縁起物”の初場所。今後の展開にも注目していきたい。

スポーツライター/相撲ライター

1989(平成元)年生まれ、さいたま市出身。早稲田大学国際教養学部卒業。ベースボール・マガジン社に勤務後、2018年に独立。フリーのスポーツライター・相撲ライターとして『相撲』(同社)、『Number Web』(文藝春秋)などで執筆中。2019年ラグビーワールドカップでは、アメリカ代表チーム通訳として1カ月間帯同した。著書に『日本で力士になるということ 外国出身力士の魂』、構成・インタビューを担当した横綱・照ノ富士の著書『奈落の底から見上げた明日』。

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