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過去最大の難敵、フランス。進化したヤングなでしこの真価が問われる一戦に。(3)

松原渓スポーツジャーナリスト
試合前日公式会見を行った(C)松原渓

U-20女子ワールドカップ(以下:U-20ワールドカップ)は、今日、準決勝を迎える。U-20日本女子代表の相手はU-20フランス女子代表。キックオフは19:30(日本時間18:30)。

この試合に勝てば、日本は、U-20女子ワールドカップ史上初の決勝進出となる。

過去最大の難敵、フランス。進化したヤングなでしこの真価が問われる一戦に。(1)(2)

【監督・選手コメント(U-20フランス代表戦前)】

高倉麻子監督(試合前日)

ーーフランスとドイツの準々決勝をご覧になって、フランスに対して、どのような対策を立てられましたか?

フランスはスピードがありますし、攻撃力は準決勝まで上がってきたチームの中でトップだと思うので、そのスピードをどうやって止めるかというところがポイントになると考えています。日本も予選を含めて1試合ずつ学びながら、組織としてはだいぶ良くなっているので、しっかり対応できると思います。

ーー準決勝を乗り越えるためにどんなことが必要になると考えていますか?

どこから守備に行くのかということや、マークの受け渡し、ポジションの変化への対応という点では、試合の中で自分たちで調整しながらできるようになったと思います。ただ、先制されたり、本当に苦しい展開から巻き返していくという状況にはまだなっていないので、ゲームがどういう形になっても自分たちの戦い方を貫くことが大切です。メンタル的な部分が大きいと思いますので、戦う気持ちを持ちながらちゃんとゲームを分析して、それを行動に起こせることが大事になります。それができれば、トップ(なでしこジャパン)にも上がっていけるのではないかと思います。

ーーこのチームの特徴である連動性という部分で、選手たちにはどんなことを求めたいですか?

攻守ともにみんなが繋がっている、ということが非常に大事です。頭を止めずに、体を動かし続け、ずっと関わり続けることはずっとこだわってやってきたところなので、そこを出せれば結果がついてくると思います。

隅田
隅田

MF 隅田凜(試合前々日)

ーー準々決勝のフランス対ドイツ戦をご覧になった印象をお聞かせください。

ドイツもフランスも力があるなと思ったんですが、フランスの方が全体的にコンパクトに戦っていました。一人一人のスピードがあって、ドリブルの能力が高いと感じました。

ーー攻撃面では、フランスをどのように崩していこうとイメージしていますか?

フランスは一人一人の守備の能力と身体能力が高いので、普段出てこないようなタイミングで足が伸びてくると思いますが、判断を速くして、自分たちの良さである自由な攻撃ができれば、相手を惑わすことができると思います。ゴール前の丁寧さにプラスしてダイナミックなミドルシュートが打てれば、相手の脅威になると思います。

ーーゴールへの意識はいかがですか?

この4試合はシュートという形で終われていなくて、守備に回ることが多かったんですけれど、チャンスがあればどんどんシュートを狙っていきたいですし、そろそろ決めたいですね。

ーーこれまでの自身の代表活動を振り返って、今大会への思いはいかがですか?

(2012年の)U-17ワールドカップでは準々決勝で負けて悔しい思いをしたので、今回のワールドカップは絶対に優勝を狙っていくという気持ちです。自分自身も、今はいいパフォーマンスができているので、このままコンディションを良くして次のフランス戦に挑みたいです。いい試合ができている時は、中盤でこぼれ球を拾えていたり、球際で勝っている時だと思いますし、中盤で勝てれば速い相手にも戦えると思うので、しっかり戦っていきたいです。

長谷川
長谷川

MF 長谷川唯(試合前々日)

ーー準決勝を勝ちあがったフランスの印象を教えてください。

これまで(の4試合)は、速さと強さがある相手と対戦してきましたけれど、フランスは個の能力が高くて、スピードと上手さがあります。ドイツが遅く見えるぐらい、一瞬のスピードが速い印象でした。

ーー長谷川選手はこれまで左MFで出場していますが、フランスは右サイドに速さと上手さを持った選手がいます。守備面ではどのようなことを意識して臨みますか?

日本は組織で戦う部分も大きいですけれど、その中でも個で勝てないと、この先のステージではやっていけないと思います。体や頭の使い方では勝てると思うので、予測のところで上回りたいですね。攻撃で先手を取っていれば、相手も前に上がってこられないと思うので、先に前に出て、サイドハーフの強力な選手を上がらせないようにしたいです。

ーーこれまでの4試合のご自身のプレーを振り返って、いかがですか?

調子は悪くなく、毎試合同じようなパフォーマンスができていると思うので、続けていきたいと思います。ブラジル戦ではミドルシュートがあと少しで入りそうだったんですけれど、これから先はそこで決めていかないと勝てないので、積極的にゴールを狙って決めていきたいです。

ーーフランスは運動量もあるチームですが、90分間でどのように仕止めようと考えていますか?

サイドハーフとサイドバックが入れ替わったり、大きな動きをしてくるのは(今回の出場国の中で)フランスしかないな、という印象があります。日本はそのマークをどう受け渡せるかということが重要ですが、90分間どちらが集中を切らさずにやれるかということが大事になると思います。日本はベンチも含めて全員がいい選手なので、誰が入っても戦えると思います。

(4)【選手コメント(U-20フランス代表戦前)】に続く

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のWEリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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