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過去最大の難敵、フランス。進化したヤングなでしこの真価が問われる一戦に。(1)

松原渓スポーツジャーナリスト
フランス戦に向け、イメージを高める(C)松原渓

U-20女子ワールドカップ(以下:U-20ワールドカップ)は、今日、準決勝を迎える。U-20日本女子代表の相手はU-20フランス女子代表。キックオフは19:30(日本時間18:30※)。

この試合に勝てば、日本は、U-20女子ワールドカップ史上初の決勝進出となる。

準々決勝のブラジル戦から中4日で迎える一戦だ。

ブラジル戦の翌日(25日)は試合の控え組を中心にトレーニングをし、26日は丸1日オフになった。選手たちはレクリエーションなどを通じてリフレッシュしたようだ。27日は守備面の1対1の対応や、ポゼッションを中心としたトレーニングをし、試合前日の28日は午前中の非公開練習の後、夜には試合会場となる John Guise Stadiumで約1時間の公式トレーニングを行った(冒頭15分のみ公開)。

ここは、日本が今大会で初めて使用するスタジアムだ。

フランスは準々決勝から中3日と、日本に比べると間が1日短いが、準々決勝は同じスタジアムで戦っている。条件は五分と言っていいだろう。

高倉麻子監督は、これまでの4試合を通じて、選手たちの確かな成長を感じている。一方で、この準決勝を勝つために、殻を破らなければならない部分もあると話す。

「マークの受け渡しや、ポジションの変化に対応するところは、(ピッチの中で)自分たちで調整しながらゲームを進められるようになったと思います。ただ、先制されたり、本当に苦しい展開から巻き返していくという状況にはまだなっていないので、ゲームがどういう形になっても自分たちの戦い方を貫けるかどうかがポイントになってくると思います。そうなってくるとメンタル的な部分が大きくなります。戦う気持ちを持ちながらちゃんとゲームを分析して、それを行動に起こすことができれば、トップ(なでしこジャパン)にも上がっていけるのではないかと思います。 」(高倉監督)

これまでの試合とは違い、明らかに押し込まれる時間帯も出てくる可能性がある。その時に、成長したチームの真価が問われる。

【過去最大の難敵】

フランスは、グループリーグでは1勝2分の勝ち点5で決勝トーナメントに2位で進出し、25日の準々決勝では前回(2014年U-20ワールドカップ)大会女王のドイツと対戦した。勝負強さという点では、アメリカと並んで過去最多の優勝(3回)を誇るドイツの優位を予想していた人も多かったのではないだろうか。ドイツは国内リーグが充実しており、リオデジャネイロ・オリンピックでは年齢制限のないA代表が初優勝を飾った。

ひるがえって、今回のU-20女子ワールドカップ、準々決勝でフランスはスピードを活かした洗練されたサッカーで、前回チャンピオンを1−0で撃破した。

試合終了後、まるで優勝したかのように重なり合うフランスの選手たちと、ピッチに崩れ落ちるドイツの選手たち。残酷なコントラストだった。日本の選手たちはその試合を、スタンドで観戦していた。

「これまで(の4試合)は、速さと強さがある相手と対戦してきましたけれど、フランスは個の能力が高くて、スピードと上手さがあります。ドイツが遅く見えるぐらい、一瞬のスピードが速い印象でした。」(長谷川唯)   

ドイツはこの試合では攻めのアイデアを欠いたが、総合力は高いチームであった。しかし、フランスはスピード勝負でことごとく競り勝ち、ゲームをコントロールした。日本にとっても、これまで戦ったことのないタイプの相手であり、過去最大の難敵となりそうだ。

フランスの基本フォーメーションは4−3−3だが、その戦い方は、より多くの局面で1対1で競り勝つことを前提としている。実際、どの選手も個で打開できる能力を持っており、守備でも1対1に強い。

右サイドの縦3人(背番号2・17・7)は、2012年のU-17女子ワールドカップ(アゼルバイジャン大会)の優勝メンバーだ。また、左サイドバックのSakina KARCHAOUI(背番号3)は、A代表でリオデジャネイロ・オリンピックにも出場した。

また、Gilles EYQUEM 監督は、ここまでの4試合でフィールドプレーヤーの18人全員を起用しており、高倉監督同様、バランスの良い選手起用が光る。唯一出ていないのが2人のGKだが、最後方でゴールを守るGKのMylene CHAVAS(背番号1)は178cmの長身で抜群の判断力を見せ、18歳ながら正守護神に君臨している。

※U-20フランス代表戦は本日(29日)、日本時間18:20~21:30 に、フジテレビNEXTで生中継。

(2)【注目のマッチアップ】

(3)【監督・選手コメント(U-20フランス代表戦前)】

(4)【選手コメント(U-20フランス代表戦前)】

に続く

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のWEリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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