第25回全国高等学校女子硬式野球選手権大会ベスト4決まる
7月24日から始まっている『第25回全国高等学校女子硬式野球選手権大会』。昨年は新型コロナで中止となり、2年振りの開催に加え、今年の決勝戦は甲子園球場で行われることになり、より一層の盛り上がりを見せています。
大会7日目の30日、ベスト8の戦いが行われ、ベスト4が決まりました。熱戦の4試合のうち、第一試合と第二試合を振り返りたいと思います。
【第1試合】蒼開 1-9 神戸弘陵
神戸弘陵 010 413 9
蒼 開 010 000 1
(6回コールド)
【バッテリー】
蒼開 松木、藤本、香川―向井
神戸弘陵 日高、佐藤―安藤、高木
1-1の同点で迎えた4回表、神戸弘陵は、先頭打者、DH島田さんの中前安打でチャンスを掴むと、相手連続エラーの隙に勝ち越しに成功。さらに1点を加えなおも2死一、三塁で三番・島野愛友利さんの2点タイムリー内野安打でこの回一挙4得点とリードを奪い、試合を決めました。
神戸弘陵先発の日高結衣さんは、ここまでの全試合に先発しています。この試合も5回まで投げて1失点と安定したピッチングを見せました。
大会前から調子を上げてきた日高さん
今大会で、全試合先発を任されている日高さん。5回1失点と安定していましたが、「序盤は硬くなってしまい、ピンチを招いてしまいました」と振り返りました。同点を許した後に早い段階で点を取ってくれたことで投げやすくなったと、味方打線に感謝していました。「立ち上がりは大事。次、任されたときは、テンポよく投げて序盤をしっかり締め試合を作りたい」と話しました。
日本一まであと2つという意識を大事にしたい
中盤での2点タイムリーや終盤でのチャンスメイクなど勝利に貢献した島野愛友さん。頼れる場面は、守備でも。マウンドの日高さんに歩み寄って声をかける場面が何度もありました。「自分がピッチャーをしている時、視野が狭くなることがあります。そんな時、バックから声を掛けられると落着くので、自分が守備につくときにはそうしようと」思っているのだとか。
ベスト4を決め、あと一つ勝てば甲子園での決勝戦が待っています。「あと1つというよりは、日本一になるためにはあと2つ勝たなければいけないという気持ちで、気を引きして次戦に臨みたい」と意気込みを語りました。
【第2試合】京都両洋 4-2 福知山成美
両洋 000 030 1 4
成美 002 000 0 2
【バッテリー】
両洋 野田、渡邊、漢人―家納
成美 三浦、藤井―神野
先制したのは、福知山成美。3回裏、相手失策や4番・神野百花さんのタイムリーで2点を入れ、序盤をリードします。が、5回表、京都両洋は、この回からマウンドに上がった、福知山成美・藤井さんから連続安打で2死満塁とすると、6番・鈴嶋遥奈さんの走者一掃の三塁打で逆転します。
「よく打つのはわかっていた」という京都両洋・上田監督は、試合前から継投策を考えていたようです。3人の継投で反撃をかわし、逆転勝ちを収めました。
「初球を思い切り振りました」鈴嶋さん
右中間を抜ける走者一掃の逆転三塁打を放った鈴嶋遥奈さん。「打った瞬間は、高く上がったので取られるかも…と思いましたが、抜けてくれて良かった」と振り返りました。打ったのは、初球の高めやや外のストレート。「初球しかない」と思い、振り抜いたのが良かったようです。
三塁に到達したとき、逆転できたことに喜び、思わず「よっしゃーっ!と叫んでいました(笑)」とニッコリ。「先輩たちと一試合でも長く試合がたいので」という思いを込めた一振りが、逆転につながったようです。
(写真は全て筆者が撮影)