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東京初雪でも北日本から北陸では少雪傾向継続

饒村曜気象予報士
寒気南下を示す日本海の筋状の雲(1月5日9時00分)

東京都心で初雪

 日本付近は西高東低の気圧配置となり、日本海側では雪や雨、太平洋側では晴れるという天気が続いていたのですが、1月4日夜から5日にかけて、関東の上空を寒気が通過したため大気が不安定となり、関東でも雨や雪が降りました。

 東京都心では、1月4日23時30分頃から、霙(みぞれ)が降り、平年より1日遅い、今冬の初雪となりました(図1)。

図1 東京に初雪をもたらしながら南東進した雲(1月4日23時30分)
図1 東京に初雪をもたらしながら南東進した雲(1月4日23時30分)

 東京の4日の日中は、気温が12.2度まで上昇したのですが、23時00分に6.5度あった気温は、10分後に5.6度となるなど、日付けが変わる直前の23時頃から気温が急降下しましたので、雨ではなく霙(みぞれ)として降ったのです(図2)。

図2 東京の1月4~5日の気温変化
図2 東京の1月4~5日の気温変化

 関東上空の寒気は、足早に通過したため、関東で雨や雪が降った時間は短く、寒い朝となりました。

 そして、日付けが変わった5日6時52分、東京では今季最低の気温0.6度を観測しました。

北日本から北陸の少雪

 東京でも初雪が降りましたが、北日本から北陸では雪が少ない状態は続いています。

 令和1~2年の冬は、北日本を中心とした西高東低の気圧配置であることが多く、寒気が南下しても北海道どまりでした。

 このため、各地の積雪は、東北地方の山沿いを除いて、軒並み平年を大きく下回っています(表)。

表 各地の積雪(1月5日7時現在)
表 各地の積雪(1月5日7時現在)

 これは、気温が高めに経過しているためで、東北地方の標高の高い所を除き、普段は雪が降る多雪地帯でも雨が降っているからです。

 一方、東北地方の標高の高い所は、雪として降っているため、ほぼ平年並みの積雪となっています。

 1月5日は、北日本を中心に西高東低の冬型の気圧配置になります(図3)。

図3 予想天気図(1月5日21時の予想)
図3 予想天気図(1月5日21時の予想)

 このため、北日本から北陸の山沿いで24時間に40センチ程度の降雪が予想されています(図4)。

図4 24時間予想降雪量(5日9時から6日9時)
図4 24時間予想降雪量(5日9時から6日9時)

 しかし、6日以降は、高気圧と低気圧が交互に通過する予報です。

 高気圧が通過するときは晴れ、低気圧が通過するときは南から暖気が入って雨となりますので、北日本から北陸での少雪、特に北海道の少雪はなかなか解消されないのが今冬の雪の特徴です。

タイトル画像、図2、図4の出典:ウェザーマップ提供。

図1、図3の出典:気象庁ホームページ。

表の出典:気象庁ホームページをもとに著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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