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ラグビーW杯出場に望みをかける「イケメン」オコナーが語る、日本代表の堀江とツイの印象とは?

斉藤健仁スポーツライター
18歳で豪州代表デビューを果たしたオコナーも25歳の青年に成長(撮影:斉藤健仁)

8月15日(土)、9月にラグビーワールドカップ(W杯)を控えたラグビー日本代表は、世界選抜(World XV)と対戦(@秩父宮ラグビー場、18:00キックオフ)する。11日、世界選抜の選手が来日し、12日の午前中は都内で練習が行われ、午後は都内のホテルで4名の選手が日本のメディアに対応した。

レベルズ時代のオコナー。堀江とはチームメイトだった(撮影:斉藤健仁)
レベルズ時代のオコナー。堀江とはチームメイトだった(撮影:斉藤健仁)

その中の1人が、世界的に「イケメン」として知られる、ユーティリティーBKのジェームズ・オコナー(レッズ)だった。現在25歳だが、すでに「ワラビーズ」ことオーストラリア代表44キャップを獲得。17歳でスーパーラグビーデビューを果たし、2008年、18歳で代表に初選出された「ワンダーボーイ」である。

だが、そんな彼は2年間、テストマッチから遠ざかり、2015年のW杯出場には、まさしく、崖っぷちである。所属チームでのパフォーマンスが悪かったことなどの影響で、南半球の強豪4カ国で戦う「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」のワラビーズのスコッド(代表候補)には入っていない。

そのためFL/NO8ショーン・マクマーン(レベルズ)、SO/CTBクリスチャン・リアリイファノ(ブランビーズ)、WTBニック・カミンズ(W・フォース/コカ・コーラ)、WTBタンゲレ・ナイヤラヴォロ(グラスゴー・ウォリアーズ)の4人とともに世界選抜入りし、今回の試合のパフォーマンス次第ではもしかしてW杯に向けたワラビーズのスコッドに選出されるかも……という状況にある。

そんなオコナーが日本のメディアの質問に答えた。

――世界選抜ではベテランのキャリアの最後を迎えようとしている選手と、ワラビーズのマイケル・チェイカHC(ヘッドコーチ)に能力を示さないといけない選手が混在しています。

オコナー:このチームには選手キャリアのステージが違う選手がたくさんいます。私たちオーストラリアの選手たち数人は、W杯のスコッドを取りに行くために100%出し切りたいという思いがあります。ただ、キャリアの最後を迎えている選手たちも日本代表というチームを軽く見ていません。ベテランも「このチームが勝つために100%プレーする」と言っています。彼らと一緒にプレーすることは名誉なことなので頑張ります。

――2日しか練習時間がありませんが、チェイカHCに何か言われていますか?

オコナー:「ワイドなところで勝負しなさい」「1対1でスピードやアジリティーで勝負できるか、フィットネスは十分かを見ている」と言われています。 まだやっていないのでわからないですが、自分自身で、どれだけラグビーできるか楽しみにしています。

おそらくWTBやFBでプレーすることになると思います。ゴールキックは調子が良いのですが、ベリック(・バーンズ/パナソニック)らもいます。まだ話し合っていないです。

――チームとしてはどんなラグビーをしたいですか?

オコナー:チームにはオーストラリアの選手や南アフリカの選手がいて、大きな選手や背の高い選手もいて、内側にいるコントロールする選手が、そういった大きな選手を上手く使ったゲームをしていくと思います。また見ている人が楽しいと思うようなランニングラグビーをやっていきたいです。

(パナソニックの監督でもあり、今回の世界選抜を率いる)ロビー(・ディーンズHC)の方が、日本やエディー(・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ)のやるラグビーに対する知識や経験も多いと思いますし、どういったラグビーをするかゲームプランを組んでくれると思います。ロビーも以前、ワラビーズのヘッドコーチをやっていたので、その時のメンバーも少なからずいるので前に使っていたコールや動きなど、そういったものも当然入ってくると思います。

――日本代表を率いるエディー・ジョーンズHCと日本代表の印象は?

オコナー:エディーから直接コーチングを受けたことがないから、印象を語ることはできないけど、エディーは非常にインテリジェンスが高いコーチだと聞いています。日本代表は、まだビデオを見ていないですが、ワイドなランニングラグビーをやってくると思います。

――2009年にニュージーランド代表(オールブラックス)と対戦するために来日したときから心境の変化などはありますか?

2009年来日時の写真を見せて笑顔をになるオコナー(撮影:斉藤健仁)
2009年来日時の写真を見せて笑顔をになるオコナー(撮影:斉藤健仁)

オコナー:(今日、ファンからもらった当時の写真を出して)このときはたぶん20歳くらいだったと思いますが、年も取って、その時より賢くなっています。

当時はオールブラックスに負けてしまったのでポジティブな思い出ではないですが、(カートリー・)ビール、(クエイド・)クーパー(ともにワラビーズ)と東京の街を歩いたことは覚えています。東京は不思議な素晴らしい街です。今週末も少しですが、楽しい時間を過ごしたいと思っています。

――HO堀江翔太はスーパーラグビーのレベルズ(オーストラリア)で一緒にプレーし、FL/NO8ツイ ヘンドリックはレッズ(オーストラリア)でチームメイトです。

オコナー:一緒にプレーしていた仲間と、次のシーズンで相対することはよくありますが、敵として戦うと、彼らに対してハードに行こうと気持ちが高まります。

翔太は、初めて会ったとき、とてもスキルフルな選手で驚きました。動きも良いですし、ディフェンスもしっかりしてくる。相手にダメージを与えられる選手だなと思いました。

ツイは今年に続き、来年もレッズで一緒にプレーしますが、体が大きくてランナーとして優れている。相手にするときはしっかり体を当てないといけないですが、彼も必死にプレーしてくると思います。

――スーパーラグビーではブレイクダウンが激しくなって、ターンオーバーも増えています。

オコナー:僕はそこにフォーカスを置いてラグビーをしていないし、得意分野ではないから(苦笑)、そのあたりのことは、(FLリアム・)ギルとかに聞いてほしいね。レッズでも、このチームでも彼がそのあたりのことはやってくれています。

――W杯に行きたいというモチベーションは?

オコナー:その思いはとても強いです。どんなスポーツでも同じですが、トップでやりたい、国の代表のジャージーを着てやりたいという思いはいつもあります。

スピードとステップの鋭さから「ラビット」と呼ばれ、若くしてスターダムにのし上がったオコナー。25歳の青年としてすっかり落ち着きを見せた彼が、2015年のW杯出場へアピールしなければいけない大一番で、どんなパフォーマンスを披露するのか――15日の夜が楽しみでならない。

※参照:「リポビタンDチャレンジカップ2015」世界選抜来日メンバー 注目選手(ラグビー日本協会HP)

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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