Yahoo!ニュース

スイングに“迷走中”のイ・ボミ 韓国ツアーで約1カ月ぶりの実戦復帰も予選落ち…何を語った?

金明昱スポーツライター
約1カ月ぶりの実戦となった韓国ツアーに出場したイ・ボミ(写真・KLPGA)

 イ・ボミは今も“迷走”していた。

 韓国女子プロゴルフツアー(KLPGAツアー)の「NH投資証券レディースチャンピオンシップ」に出場(5月13~15日、京畿道・水原CC)したイ・ボミ。

 今年4月の日本女子ツアー「ヤマハレディースオープン葛城」以来、約1カ月ぶりの実戦はほろ苦い結果となってしまった。

 初日は2バーディー、4ボギーの74。巻き返しを図った2日目だったが、アイアンショットのキレが悪く、1バーディー、5ボギーの76で、通算6オーバーの106位タイで予選落ちした。

 日本での不調を引きずったままで、なかなか思うようなゴルフができないことに表情も曇りがちだった。

 初日のホールアウト後の現地メディアの共同会見では、ゴルフの状態についてこう話していた。

「今もショットの感覚が良くありません。初日の17、18番でショートパットを外してボギーにしたのがすごく悔しいです。スイングを修正している最中なので、もう少し自信のあるスイングができるように努力していきたい」

 納得のいくプレーができていない不甲斐なさに悔しさをにじませていたが、韓国でのプレーは1年8カ月ぶりということもあり、緊張感も隠せなかったようだ。

「韓国のギャラリーの前で久しぶりにプレーして、とても緊張しました。日本ツアーの大会に出場してからは1カ月ぶりの試合でもあったので、1打でもスコアを伸ばせるようにとにかく頑張ろうと必死でした」

 韓国メディアからは「あまり表情が冴えないし、声も少し暗い感じがある」と言われ、「それは最後のボギーがあまりにもショックで」と苦笑いをしていた。

パターのラインを確認するイ・ボミ(写真・KLPGA)
パターのラインを確認するイ・ボミ(写真・KLPGA)

「アイアンがうまくボールにコンタクトできない」

 現在のゴルフも、何が課題なのかについて細かく説明していた。

「ボールに対して強いインパクトが出ればいいのですが、それが今は当たりが弱い。距離感がつかみづらく、そうなるとクラブ選択も難しくなります。これからもっと練習しなければなりません。今はスイングの修正をしているところですが、アイアンのヘッドにボールがうまくコンタクトしないので、低い弾道が出がちです。高い球が出ないので、チャンスが作るのは難しかったです。久しぶりに韓国のコースでプレーしましたが、距離が長くなってきていると感じます。そのあたりのマネジメントもうまくやらなければいけないと感じました」

 ちなみに今大会(2日間)でのフェアウェーキープ率は85.715%で、ドライバーショットは安定感が出てきたようだ。

 しかし、問題はアイアンショット。イ・ボミも「アイアンショットの調子が悪い」と嘆いていたが、パーオン率は38.89%と確かにほとんどチャンスにつけられていない。

 今も自分に合ったスイングを探しているところだが、なかなか“スランプ”から脱出できずにいる。

 次戦は「E-1チャリティーオープン」(5月27~29日)の出場が決まっており、そろそろ結果がほしいところ。6月には再び日本ツアー参戦を予定しているが、それまでに課題を克服して、日本のファンの前では笑顔を見せてもらいたいものだ。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

金明昱の最近の記事