猫の「長生き」のために飼い主ができること6つ!1日でも長く一緒にいるためには?
猫はマイペースな性格とかわいらしいルックスをもつ、犬と同様に人気が高いペットです。日本でも、家族の一員として愛される猫たちはたくさんいます。
しかしそんな猫の平均寿命は約16年といわれており、飼い主よりも早く天国に逝ってしまうケースがほとんどです。とはいえ飼い主の多くは、「できるだけ長く一緒に過ごしたい」と思うことでしょう。
そこで今回は、猫の長生きのために飼い主ができること6つ紹介します。猫の飼い主さん、猫好きの人必見の内容です。
1.猫の平均寿命は何歳?
猫の平均寿命は、近年では16歳前後と言われています。しかし飼育環境や食事、健康管理などの影響を受け、個体差が大きいです。
・野良猫の平均寿命:約2~5歳
・室内飼育猫の平均寿命:約16歳
・室外飼育猫の平均寿命:約13~14歳
一般社団法人ペットフード協会が発表した「令和3年 全国犬猫飼育実績調査」によると、猫全体の平均寿命は15.66歳とあります。
これは、2016年に東京農工大学と日本小動物獣医師会が実施した調査結果(2014年時点では猫の平均寿命は11.9歳という結果※参考資料)よりも約4歳寿命が伸びているということです。
約7年で寿命が4年伸びるなんて驚きですね。ちなみに人の場合、2014年~2021年の約4年で1歳程度寿命が伸びたそうです。
また猫の種類によっても寿命は異なっていて、一般的に雑種の方が純血種よりも長生きする傾向があり、室内飼育の方が室外飼育よりも長生きする傾向があります。
ともかく猫の寿命が伸びた背景には、室内飼育の増加・獣医療の進化といった理由があるからで、今後も猫の寿命は伸びていく可能性が十分あるでしょう。
2.猫の「長生き」のために飼い主ができること6つ
猫の平均寿命は伸びていますが、それでもやはり人間よりは短い命です。とはいえ1日でも長く愛猫と過ごしていくためには、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?
2‐1.ストレスを与えない
猫にストレスは大敵です。猫は犬と比べると遺伝的な病気は少なく「生命力は高い」動物ですが、とりわけストレスには弱い欠点があります。
そのため、日常的に猫がストレスを感じるような生活を送らせるのはNGです。たとえば狭すぎる空間での飼育・毎日のように来客がある・トイレや水飲みが不衛生・騒音がある、このような環境下では猫もストレスを感じやすくなってしまいます。
心当たりがある人は、ストレスフリーな環境を整えるために次の点に注意して猫をとりまく環境を見直してみてください。
・猫のパーソナルスペースを確保する
猫には「ほかの猫や人間の気配のない、落ち着ける空間」が必要です。ひとりになることで、ゆっくり体を休めたりリラックスして心を落ち着かせたりします。
もしワンルームで別部屋を用意できないのであれば、キャットタワーなどを置いて「上下で隠れられる場所」を用意してあげると良いですよ。
・トイレの清掃を怠らない
猫は非常にキレイ好きな動物で、トイレが汚れているのを嫌います。とくに多頭飼育していると、別の猫の後にトイレをしたがらない猫は多いです。
トイレが汚れていること自体ストレスですし、トイレを我慢することで便秘や尿路疾患といった病気になってしまうリスクがあります。
そのためトイレは「頭数+1個」は用意し、小まめに掃除してあげるのが好ましいです。
・1日10分コミュニケーションをとる
忙しい日でも10分程度でいいので、猫とコミュニケーションをとってみましょう。一緒に遊んだり話しかけたりしてもOKです。
ただし遊ぶのが嫌いな猫や、とにかく1人でいることが好きな猫は、無理やり一緒に遊ぶ必要はありません。猫の個性に合わせて行いましょう。
・来客はほどほどに
あまりないかもしれませんが、毎日のように来客がくるような環境は猫に良いとはいえません。猫は初対面の人に対して、好意的な印象をもつことが非常に少ないからです。
猫が慣れた人物であれば良いですが、そうでない場合は来客はほどほどにしておきましょう。
2‐2.猫のペースを尊重する
猫は個体差はありますが、基本的にマイペースな性格の持ち主です。そのため遊ぶのも、休むのも、飼い主に甘えるのも猫のタイミングによりけり。
飼い主はそんな猫のペースに合わせなければいけません。猫はペースを乱されるのを嫌い、繰り返されるとストレスを感じたり、飼い主に対して「苦手意識」をもつことも。
飼い主としてはなにか物足りないこともあるかもしれませんが、それも猫の尊い個性だと思って受けとめましょう!
2‐3.年に1回の健康診断を受ける
老猫はもちろん成猫でも、年に1回は健康診断を受けるのをおすすめします。
猫の寿命を縮める原因として大きいのは、やはり病気です。病気から猫を守る有効な手段といえば、早期発見・早期治療。人間と同じです。そしてそのためには健康診断で、症状のないときから病気を見つけることが重要になってきます。
健康診断を受けていれば「病気が見つかったけど、手の施しようがない状態」を避けられる可能性が高くなるでしょう。
とくになんとなく老いを感じてくる7歳(人間で44歳くらい)を過ぎたら、年に1回~2回の健康診断を受けるのが好ましいです。
2‐4.適切な食事管理をする
人も健康のために「栄養バランスの整った食事を摂ろう」といわれるように、猫も健康のために適切な栄養を摂るのは大切です。
とはいえ「猫に適切な栄養とはどんなもの?」と思う人が多いかもしれません。しかしとくに持病がない限り市販のキャットフード(総合栄養食)を、体重に合わせた目安量で与えればOKです。
キャットフードには猫特有の必須栄養素タウリン・アラキドン酸・ビタミンKといった栄養素も含まれています。そのため「わざわざ毎日手づくりしないといけない」ことはありませんし、キャットフードと水だけで、20年生きた猫たちもたくさんいます!
※キャットフードのなかには、穀物が主原料になっていたり添加物がたくさん含まれているものがあります。絶対にダメ!というわけではありませんが、肉食動物の猫のごはんにしてはあまり良いとはいえません。
なお与える量やフードの種類に迷ってしまう場合は、獣医師に相談してみるのがおすすめです!わたしが勤めていた動物病院でもフードの相談をする飼い主さんは多く、やはり専門家の意見はとても参考になります。
2‐5.水をしっかり飲んでもらう
日常のなかで猫が水を飲むのは非常に重要です。というのも水分をたくさん摂取することで、猫がかかりやすい「腎臓病」や「下部尿路疾患」に罹患しにくくなるからです。
しかしもともと砂漠地帯で暮らしていた猫は、水分を積極的に摂取しません。そのため飼い主が何かしらの工夫を施しながら、猫に水を飲んでもらうようにしなければいけないのです。
具体的には次のような工夫をしてみましょう!
・食事の場所と水を飲む場所を離してみる
猫は野生下で生きていたころ、獲物を食べる場所と水を飲む場所が異なっていました。その本来の猫の習性に合わせることで、水を飲む猫もいるようです。
・水飲みを複数個所置く
もともとあまり水を飲まない猫は、水飲みが1か所に限定されていると「めんどくさい」「億劫」な気持ちが勝って、水を飲みにいかないことがあります。
そのため生活空間に複数の水飲みを設置し、猫が「水を飲みたい」と思ったらすぐに飲めるようにしてあげましょう。
・愛猫が好む「飲み方」を見つける
猫にはそれぞれ「飲み方」にも好みがあります。たとえば循環式自動給水機が好きだったり、お皿に注がれた水が好きだったり、あるいはボトルタイプの水飲み器だったり。
猫本人のそれぞれの基準で好き嫌いを判断しているので、いくつかのタイプの水飲みを設置してみて「好みの飲み方」を見つけてみましょう。
・ウェットフードをあたえる
ドライフードに水分を含ませ、「ウェットフード」にして水分補給させるのもOKです。歯は汚れやすくなってしまいますが、手っ取り早く水分補給させることができます。
・寒天ゼリーを与える
水分補給を目的として「寒天ゼリー」を与えても良いです。市販でも通販でも購入できて、おやつ感覚で食べられます。ドライフードにトッピングして食べるのもアリです。
なお猫が飲む水は、ミネラルウォーターや水素水などではなく水道水で問題ありません。とくに硬水は避けましょう。カルシウムやマグネシウムが豊富に含まれており、猫の腎臓への影響が懸念されます。
2‐5.毎日健康チェックをする
年に1回の健康診断も重要ですが、できるなら毎日自宅でもセルフ健康チェックを行うのがベターです。
日々の様子をチェックしておくことで異変に気づきやすくもなりますし、獣医師に「普段はこうだが、今はこうなっている」と具体的な説明もできます。
具体的な説明は獣医師の治療計画にも非常に役立ち、結局愛猫のためになることです。今日からでも遅くないので、ぜひやってみてくださいね!
※詳しい健康チェックの方法はぜひこちらを参考にしてください
2‐6.室内飼育をする
今やほとんどの家庭は室内で飼育しているかと思いますが、そうでない家庭も猫はなるべく部屋のなかで飼育してあげるのを検討してみてください。
先述しましたが猫の寿命は飼育環境によってもかわります。室外飼育をしていると感染症をもらってきたり、交通事故に遭ったりするリスクが高くなるので、平均寿命もその分短くなります。
そのため必ずとはいえませんが、室内飼育を検討してみるのも良い選択肢です。
外に慣れてしまった猫を室内で飼育するための道のりは容易ではありませんが、さまざまな工夫をして無事室外猫を室内猫にできたという飼い主さんもいます。
もし「室内飼育にしてみようかな」と思ったら、ぜひこちらを参考にしてみて下さい!とてもわかりやすく室内への移行の方法や実体験を載せてくれています!
3.まとめ
猫の「長生き」のためには飼い主ができるだけ適切な飼育環境を整えたり、健康管理に気を配ったりすることが大切です。
今回ご紹介した6つのポイントを参考に、愛猫と1日でも長く幸せな時間を過ごせるように飼い主としてできることを最大限に尽くしましょう!