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レアル・ソシエダがサッカー的にブライトンに劣る理由。ラ・リーガがプレミアに抜かれた理由

杉山茂樹スポーツライター
(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

 チャンピオンズリーグ(CL)開幕週。久保建英が所属するレアル・ソシエダはホーム「アノエタ」で、インテルと対戦した。開始4分、インテルDFアレッサンドロ・バストーニのミスを突き、左ウイングのアンデル・バレネチェアが先制。昨季のスペインリーグ4位チームは以降、終盤まで昨季のCL準優勝チームを向こうに回し、試合をいい感じで進めた。

 インテルが同点に追いついたのは後半42分。それはレアル・ソシエダが布陣を4-3-3から5バックに変更した2分後の出来事だった。ゴール前を固めようと後ろに引いた瞬間、同点ゴールを叩き込まれたわけだ。試合は引き分けに終わり、レアル・ソシエダは土壇場で勝ち点2を失った。

 選手が発案したわけではない。監督の司令を選手は無視できない。イマノル・アルグアシル監督の責任はあまりにも大きい。

 守りを固めようと後方に人員を多く割いたにもかかわらず失点したわけだ。サッカーの本質、サッカーにおける守備とは何かをまざまざと見せつけられた試合でもあった。監督はそれとどう向き合うか。

 攻撃は最大の防御なり。ある時までプレッシングの精神=「奪われたらできるだけ早く奪い返し、相手の守備陣が整わぬうちにゴールに迫る」を掲げておきながら、最後になってゴール前を固めた。正反対のコンセプトである。選手はどちらを信じ、練習に励めばいいのか。両方では信じる力は低下する。それはアルグアシル監督のカリスマ性が低下したことを意味する。

 この試合を現地観戦していた森保監督は何を思っただろうか。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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